ウズベキスタンで水利用効率化にデジタル技術導入を加速
(ウズベキスタン、アフガニスタン)
タシケント発
2023年04月07日
ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は4月1日、大統領決定第107号「水資源利用効率向上のための緊急措置について」に署名した。ウズベキスタンの2大主要河川であるシルダリヤ川とアムダリヤ川の水量は、2023年夏の灌漑期に国が定める基準値と比べそれぞれ10~15%、15~20%減少すると予想されており、同決定は、農工業向けの安定的な水供給の確保を目的としている。
水資源の利用効率を高めるための主要な方策として、a.節水技術の導入に対する国家支援の拡充、b.灌漑システムにおける水損失の削減、c.水資源管理における最新のブラック ジャック 確率・通信技術の導入、などを挙げている。
政府は、農業生産者が節水技術を導入する際の商業銀行からの融資の担保と金利の一部を負担するほか、農業生産者に補助金を拠出する。このほか政府は、水消費量のデジタル計測技術やセンサーの導入強化、20カ所の水管理施設の自動化、特定地域での取水・配水のデジタル管理試験事業を実施する。必要な政府資金は、2023年の国家予算を修正し捻出することが想定されている。
ウズベキスタンでは長年、水不足が懸案となっている。政府文書によると、不足量が2015年には30億立方メートル超に上った。2030年には70億立方メートル、2050年には150億立方メートルに達し、水不足が深刻化すると見込まれている。ウズベキスタン政府は、アジア開発銀行などと協力し水資源管理改革を行っている。直近では、1年前に隣国のアフガニスタンで同国政府が、アムダリヤ川からの取水を目的とした灌漑施設の建設を開始しており、中央アジア地域全体として、水資源利用の効率化と国家間のバランスの確保が一層求められている。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、アフガニスタン)
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