ソフトウエア・サービス輸出でインドを牽引するカルナータカ州

(インド)

ベンガルール発

2023年04月20日

インドのカルナータカ州政府が2023年2月付で公開した「カルナータカ州経済調査2022-2023」(Economic Survey of Karnataka 2022-2023、以下「調査」)によると、2022年度上半期(4~9月)のカルナータカ州の輸出額は前年同期比で38.3%増と4割近い伸びになったことが分かった(添付資料表参照)。

「調査」は、カルナータカ州経済統計局が毎年発表しているもので、2013年度版からウェブサイト上に公開されている。それによると、2022年度上半期のカルナータカ州の輸出額は5兆9,031億ルピー(約9兆4,450億円、1ルピー=約1.6円)となった。品目別にみると、「電子機器・コンピュータ・ソフトウエア」が80.5%と8割強を占めた。2011年度は「電子機器・コンピュータ・ソフトウエア、ビジネステクノロジー」が1兆3,566億ルピー(構成比:62.0%)だったたため、近年、同品目が金額・シェアともに大きく伸びていることがわかる。なお、「調査」によると、2021年度のカルナータカ州の輸出額(9兆5,179億ルピー)は、インド全体輸出の18.9%を占め、ソフトウエア・サービスの輸出は同41%を占めた。

なお、「調査」によると、カルナータカ州の2021年度の輸入額は211億5,943万ドルとなっており、同年度の期中平均為替レート(1ドル=73.9ルピー)に換算すると、約1兆5,637億ルピーだった。インド全体では貿易赤字の削減が政府の大きな課題とされている中、カルナータカ州においては大幅な輸出超過となっていることがわかる。

カルナータカ州の州都であるベンガルールにはインド国内から多くの優秀なIT技術者が集まるといわれており、新型コロナ禍からの経済回復も相まって、同州の輸出額は当面の間伸び続けることが予想される。

(水谷俊博)

(インド)

ビジネス短信 61f7c44fdc36c3b1