第三者認証取得済み低炭素アンモニアを日本へ初輸送
(サウジアラビア、日本)
中東アフリカ課
2023年04月21日
サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)のアグリ・ニュートリエンツ・カンパニーがサウジアラムコの原料ガスから製造した、第三者認証取得済みの低炭素アンモニアが4月21日、サウジアラビアから日本に初めて輸送された。
サウジアラムコとSABICアグリ・ニュートリエンツ・カンパニー、富士石油、商船三井による4月21日付共同プレスリリースによると、今回輸送された低炭素アンモニアは発電用燃料を目的としており、アラムコ・トレーディング・カンパニーから富士石油に販売され、同社の袖ヶ浦製油所で発電の混燃用として利用される。また、サウジアラビアから日本までの輸送は商船三井が手掛け、富士石油の子会社の日本オイルエンジニアリングが技術支援を行っている。
サウジアラビアは豊富で安価な天然ガス資源や、利用可能な既存の製造施設を有していることといった強みを背景に、各国企業と協業して水素・アンモニア事業へ積極的に取り組んでいる。今回の輸送に先立ち、2020年9月には、サウジアラムコと日本エネルギー経済研究所、三菱商事などがサウジアラビアで製造したブルーアンモニアを日本まで輸送する実証実験を行っている(特集:グリーン成長を巡る世界のビジネス動向産油国ブラック)。2022年4月には、サウジアラムコとSABICアグリ・ニュートリエンツ・カンパニーが、ドイツに本部を置く独立の試験・検査・認証機関テュフ・ラインランド(TÜV Rheinland)から、世界で初めてブルー水素とアンモニア製造の第三者認証を取得し(特集:COP27に向けて注目される中東・アフリカのグリーンビジネス循環型炭素経済を目指し、ブラック)、同年11月に韓国へ向けて第三者認証取得済みブルーアンモニアの世界初となる商業輸送を行った。
(久保田夏帆)
(サウジアラビア、日本)
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