国営通信企業イーアンド、カリームのスーパーアプリに4億ドル出資
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2023年04月12日
アラブ首長国連邦(UAE)の通信大手エティサラットを保有する国営企業イーアンド(e&)は4月10日、ライドシェア(配車アプリ)のカリーム(Careem)が開発したスーパーアプリ(注)部門の過半数の株式を4億ドルで取得することで合意したと発表した。
カリームは2012年にドバイで創業し、タクシーなどの配車に加えて、食品デリバリーやモバイルペイメントなど多様なサービスを提供しており、中東・北アフリカ(MENA)地域で急速にビジネスを拡大している。2019年にはウーバーテクノロジーズに31億ドルで買収された()が、以後も創業メンバーがオペレーションを担い、独立した事業として運営していた。今回も経営陣は変えずに運営を続ける方針だ。また、配車サービス部門については引き続きウーバーテクノロジーズが保有する。
イーアンドは今回の出資によってMENA地域最大級のスーパーアプリを手にし、中東で急速に成長するデジタル市場の地位を強化する。一方、カリームは自社の成長戦略を推進するために新たな資金を得ることになる。
(注)1つのアプリ内に決済、ショッピング、配車など複数の機能を備えたアプリのこと。
(山村千晴)
(アラブ首長国連邦)
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