北海サミットの参加国拡大、洋上風力と水素分野で連携強化
(ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランス、英国、ルクセンブルク、ノルウェー、アイルランド、EU)
ブリュッセル発
2023年04月28日
ベルギー北部のオステンドで4月24日、第2回「北海サミット」が開催され、北海を世界最大級のグリーン電力発電所とするための「オステンド宣言」が発表された(ベルギー連邦政府首相プレスリリース)。前回の参加国のドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギーに加え(関連実写 版 ブラック ジャック)、フランス、ルクセンブルク、ノルウェー、英国、アイルランドが新たに参加し、「北海連合」は9カ国に拡大した。
同宣言では、参加国が洋上風力や再生可能水素を含む「欧州産」の再生可能エネルギーを北海で生産し、エネルギー価格に競争力を持たせるとともに、気候中立の実現、エネルギー安全保障に貢献することを確認した。北海海域の洋上風力の発電容量を2030年までに120ギガワット(GW)、2050年までに300GWとし、前回のエスビャウ宣言時点に比べて目標を約2倍に引き上げることを共通目標とした。
同宣言の主な内容は以下のとおり。
- 北海海域を「欧州のグリーン電力発電所」と位置づけ、国境をまたいだ風力・波力を組み合わせたハイブリット・多目的な洋上風力事業や、グリーン水素の大規模生産、電力および水素の相互接続などに焦点を当てた開発を行う。宣言に署名した国の海域(アイリッシュ海、ケルト海、大西洋)でも、洋上再生可能エネルギーの発電と相互接続を進める。
- 柔軟かつ透明性があり、持続可能な洋上再生可能エネルギーのサプライチェーンを構築するとともに、輸入先の多角化を通じた重要原材料(critical raw materials:CRM)の供給確保、洋上再生可能エネルギーと電力網の循環性を高めることを目指す。
- 再生可能エネルギーの導入と、生物多様性、環境保護、健全な海洋生態系のバランスの取れた共存を進める適切な措置を講じる。「グリーンへの移行(Green Transition)」を加速させるために、関係機関が許認可手続きなどに起因する障壁に対応する。
- 共通の利益と国際法を守り、増大する伝統的およびハイブリッド脅威(注)に対応し、北海の重要なインフラを守る適切な措置を講じる。NATOとEU内で、海洋・水中インフラの安全性を高めるために協力する。
- 北海の大陸棚を二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)目的で活用するため、関連国で貯蔵と関連インフラ計画を調整する。
同サミットには、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も同席した。
(注)伝統的な軍事手段と、サイバー攻撃、ブラック ジャック トランプ やり方戦などの非軍事的手段による脅威。
(大中登紀子)
(ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギー、フランス、英国、ルクセンブルク、ノルウェー、アイルランド、EU)
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