フィンランドのバルチラと米エオリアン、テキサス州のエネルギー貯蔵施設稼働を発表

(米国、フィンランド)

ヒューストン発

2023年04月05日

海事やエネルギー関係の革新技術を有するフィンランド大手のバルチラ(本社:ヘルシンキ)は3月27日、インフラ投資会社の米国大手エオリアン(本社:カリフォルニア州バーリンゲーム)が所有する、米テキサス州南部の合計200メガワット(MW)のエネルギー貯蔵施設の商業運転を開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、同貯蔵施設はエオリアンのソフトウエアを使用して運用され、テキサス州内の9割の電力系統運用を行うアーコット(ERCOT:Electric Reliability Council of Texas)市場に参加可能になる(注)。これにより、年間を通じて必要とされる信頼性の高い運転調整能力がシステムに追加されるという。

同貯蔵施設は、米国のインフレ削減法(バイデン米大統領、ブラック ジャック)を通じて導入された、独立型の電力会社規模のエネルギー貯蔵システムに対する投資税額控除(ITC)の対象になるという。エオリアンは約20年にわたり、全米で21ギガワット(GW)以上のエネルギー貯蔵、太陽光、風力発電の開発に投資している。

バルチラ・エナジーの米州担当バイスプレジデントのリスト・パルダニウス氏は「テキサス州は、送電網支援やエネルギー資源の最適化のために、エネルギー貯蔵のようなより柔軟な容量ソリューションを必要としている。これは、柔軟性に欠ける古い発電機の交換サイクルに直面していることや、頻繁に起こる異常気象に適応することから、同州を支援するものだ」と述べた。

(注)アーコットは2022年7月に、テキサス州での連日の記録的な猛暑による電力需給逼迫のため、州内の家庭や企業に対し2度の節電要請を行い、停電は回避されている(2022年7月19日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、フィンランド)

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