1月の海港貨物取扱量は7.5%増、政府は東方・南北ルートの輸送を強化
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2023年03月13日
ロシア商業海港協会の発表(2月13日)によると、2023年1月のロシア海港での貨物取扱量は前年同月比7.5%増の7,490万トンだった(添付資料表参照)。バルト海経由での輸送が低迷する中、ロシア政府はそれ以外のルートを通じた輸送量を拡大させていく方針だ。
品目別でみると、石炭(前年同月比10.7%増)と原油(9.9%増)が全体の増加に寄与した。鉱物質肥料、鉱石もそれぞれ34.9%増、21.2%増と大きく伸びた。
海港所在海域別では、アゾフ・黒海域が前年同月比22.7%増だった。同海域内の主要港であるノボロシースク港での取扱量が16.0%増の1,430万トンに伸びた。「インフラ・ニュース」(2月20日)によると、1月の同港でコンテナ貨物取扱量は7.6%増の9万1,240TEU(20フィートコンテナ換算)となり、全国でウラジオストク港に次ぐ規模を記録した。また、石炭や肥料を取り扱うターミナルを有するタマン港の取扱量が32.8%増の420万トンとなった。
ロシア政府は、アゾフ・黒海域、極東の2方面ほか、ロシアとイラン、インドを結ぶ南北国際輸送路を通じた輸送量を増加させる計画で、輸送インフラの整備、通関や検疫などのほか法令手続きの最適化を行う考えだ。運輸省は、2023年に各ルートの輸送量が前年からそれぞれ4,110万トン、2,480万トン、1,130万トン増加すると見込んでいる。
2月28日には、ロシアとイラン政府がオンラインで地域間協力に関する作業部会を開催した。ロシア側代表として出席した経済発展省のドミトリー・ボリバチ次官は、2035年までにロシアからイランへの貨物輸送量は現状の1,500万トンから6,000万トンに増えると見通しを示した。また、イラン発の貨物はカスピ海沿岸のロシアの港で1,200万トン受け入れ可能で、鉄道でバルト海の港まで輸送できると述べ、南北国際輸送路のさらなる活用に期待を示した。
(浅元薫哉)
(ロシア)
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