コチ財閥、ステランティストルコ法人の買収を発表
(トルコ)
イスタンブール発
2023年03月09日
トルコのコチ・ホールディング(コチ財閥)は3月1日、傘下のトファシュ(フィアットとの合弁)がステランティス(本社:オランダ)のトルコ法人ステランティス・オトモティブ・パザルラマ (Stellantis Otomotiv Pazarlama)を買収することでステランティスと合意したと発表した。買収金額は4億ユーロとしている。
同合意によると、トファシュは既存のフィアット、アルファロメオ、ジープなどのブランドに加え、ステランティス・オトモティブ・パザルラマが保有するステランティスの全自動車ブランドのトルコ販売代理店となる。
また現在、トファシュのブルサ工場では、乗用車「エーゲ(ティーポ)」モデル、軽商用車「ドブロ」「フィオリーノ」が生産されているが、2023年7月から新たなステランティスの乗用車と軽商用車5ブランドの生産ラインの準備が始まり、2025年の生産開始を予定している。これに合わせて、「ドブロ」は2023年7月、「フィオリーノ」は2024年12月末、「エーゲ」は2025年12月末に生産を終える。
2022年の自動車販売台数でみると、トルコ市場でのステランティス・オトモティブ・パザルラマのシェアは12.8%(乗用車:13.1%、軽商用車:11.8%)。コチ財閥傘下の2大自動車企業トファシュとフォード・オトサン(フォードとの合弁)の合計シェアは29.0%だった(乗用車:18.9%、軽商用車:60.4%)。今回の合意により、コチ財閥のシェアはトルコ市場の41.8%(乗用車:32.0%、軽商用車:72.3%)となる(添付資料表参照)。
コチ財閥は活発に投資する姿勢を見せており、傘下のフォード・オトサンは2月に韓国のLGエナジーソリューションと、電気自動車(EV)用バッテリー生産プロジェクトの覚え書き(MOU)に署名した。同MOUによると、2026年に年間25ギガワット時(GWh)のキャパシティーで生産を開始し、将来的には45GWhまで引き上げる計画だ。
(エライ・バシュ)
(トルコ)
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