IMF、スリランカへの金融支援を承認
(スリランカ)
コロンボ発
2023年03月22日
IMFは3月20日、理事会を開き、スリランカに対する4年間で総額約30億ドルの金融支援パッケージを正式に承認した。本支援措置は、財政制度や腐敗防止体制などの改革を条件としたうえで、スリランカにおけるマクロ経済や金融の安定化、債務の持続可能性の回復を図る。このうち、3億3,300万ドルは近日中に拠出される予定で、本支援が他の国際機関からの金融支援の呼び水となることが期待される。
IMFは、支援措置を発表するとともに、スリランカ経済の回復シナリオを示している。経済危機によってマイナスへと落ち込んだ実質GDP成長率が、2024年にはプラスに転じると見込んでいる(2023年はマイナス3.0%、2024年は1.5%)。また、2022年に50%を超えていた物価上昇率についても、2024年末には8.7%へと落ち着くと予測している。そのほか、2022年末に1カ月分の輸入量相当額にとどまっていた外貨準備高が、2023年末には2.2カ月分、2024年末には3カ月分へと増加すると見込んでいる。
(大井裕貴)
(スリランカ)
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