日立の米国IT子会社グローバルロジック、ブカレストの開発拠点を紹介

(ルーマニア、米国)

ブカレスト発

2023年03月10日

日立製作所の米国グループのデジタルエンジニアリング企業であるグローバルロジック(GlobalLogic、カリフォルニア州)が228日、ルーマニア・ブカレスト市内で業界関係者を集めた交流会を開催した。同社が202211月に買収を発表した、ルーマニア北西部クルージュ・ナポカ本社のフォルテック(Fortech)(2022年11月22日記事参照)の概況のほか、同年7月にグリーンフィールド投資としてブカレスト市内に新規設立登記していたグローバルロジック・ルーマニアの概況が紹介された。グローバルロジック・ルーマニアの規模はまだ小さくエンジニア中心に20人、通信・ヘルスケア・自動車関連など顧客はまだ6社しかないが、素早い意思決定で今後、採用も顧客も増やしていく予定だとした。エンジニア約1,000人を擁するフォルテックとともに、国内でイノベーション研究だけでなく、大学との連携でITアカデミーを設立すると明かした。

グローバルロジックは、米国はじめ世界15カ国に社員約28,000人、このうち欧州に約12,000人を擁している。ウクライナにはキーウやハルキウ、リビウ、ミコライウに拠点があり、約6,500人が勤務していたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ウクライナからポーランドのクラクフはじめ欧州へ移動してきている幹部や技術者も多いという。

日立製作所は20213月、グローバルロジックを約85億ドルで買収すると発表、同年7月に買収を完了した。日立製作所の202321日発表の同年3月期第3四半期連結決算概要によると、グローバルロジックは前年同期比46%増(ドルベースでは17%増)の増収を果たし、Adjusted EBITA率(注)22.1%と高い収益性を維持している。

写真 交流会で講演したグローバルロジックの幹部ら(ブラック ジャック ストラテジー撮影)

交流会で講演したグローバルロジックの幹部ら(ジェトロ撮影)

(注)Adjusted Earnings before interest, taxes and amortizationの略。無形資産などの償却費を調整後の営業利益に足し戻し、さらに持ち分法による投資損益を加えて算出した指標。

(西澤成世)

(ルーマニア、米国)

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