オーガニック&プリント・エレクトロニクス国際見本市、ミュンヘンで開催
(ドイツ)
ミュンヘン発
2023年03月09日
オーガニック&プリント・エレクトロニクス産業の国際見本市である「LOPEC2023」が2月28日~3月2日に、ドイツ南部のミュンヘンで開催された。
「LOPEC2023」の出展社数は前年よりも3社多い168社で、過去最多となった。2023年の出展は、ドイツ、米国、フランス、英国、オランダなど欧米からが主だった。主催者がウェブサイトで公表している出展社リストによると、今回出展した日系企業は9社。浜松ホトニクス、パナソニックなどに加えて、染色の技法でつくられる新しい導電性繊維を扱う、東北大学発スタートアップであるエーアイシルクが、協力するドイツ企業と共同出展した。
「LOPEC」は、オーガニック・プリンテッド・エレクトロニクス協会(OE-A)とメッセ・ミュンヘンとの共催で2009年から開催されており、専門カンファレンスと展示が併催されている。展示規模は他の見本市に比べて小さいが、出展社に話を聞くと、有機、プリンテッド・エレクトロニクス分野に関わる企業、研究機関の訪問が多く、「話したい人と話せる見本市」との印象を持つ企業が多い。2023年の訪問者数は前回よりも440人以上多い約2,300人。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年3月開催時(2,733人)と比較しても、微減にとどまった。
プリンテッド・エレクトロニクスは、電子デバイスなどの製造を印刷技術で行うもの。印刷によって大量に高速で電子部品を製造できるため、低価格かつエネルギーを抑えた生産が可能。エレクトロニクス、医療、光学などで研究が進む注目技術だ。また、有機エレクトロニクスは有機半導体などを基礎としたもので、プラスチック基板の上に蒸着、塗布してデバイスを製造する。
オーガニック・プリンテッド・エレクトロニクス協会(OE-A)が3月1日に発表した会員向けアンケート結果によると、回答企業は、有機・プリンテッド・エレクトロニクス分野の売上高が2023年に18%増、2024年に19%増加すると見込む。プリンテッド・エレクトロニクスが使われる主な産業としては、コンシューマー・エレクトロニクス、自動車、医療、医薬品、建築などだという。
「LOPEC」は毎年開催。次回は2024年3月5~7日にミュンヘンで開催される予定。
(高塚一)
(ドイツ)
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