政府が2023年の支援強化対象スタートアップ120社を公表
(フランス)
パリ発
2023年03月01日
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2月20日、大統領府に技術系スタートアップ企業の代表者らを集めて会合を開いた。2023年の支援強化の対象となるスタートアップ企業120社「フレンチテック・ネクスト40/120」の認定企業リストの発表などが行われた。
同リストは毎年公募により選定(再選定)するもので、(1)ユニコーン(注)と2020~2022年の資金調達額が1億ユーロ以上の「ネクスト40」と名付けられた有望スタートアップ企業40社と、(2)2020~2022年に4,000万ユーロ以上の資金調達を実現した企業40社、(3)2022年の売上高が1,000万ユーロ以上で過去3年間の売り上げ増加率が25%以上の企業40社から構成される。
今回で4回目の選定となる「フレンチテック・ネクスト40/120」では、2022年に選定された企業から27社が入れ替わった。このうち「ネクスト40」では11社が入れ替わり、ユニコーンの数は26社となった。NWストーム〔電気自動車(EV)用充電設備〕、エコバディス(サステナビリティー評価)のユニコーン2社が新たに加わり、前年「ネクスト40」に認定された企業のうち6社がユニコーンに成長した。
グリーンテック企業の増加が著しく、「ネクスト40」にはエコバディス、NWストームのほか、ザプラグ(住宅・企業向けEV充電器)、エレクトラ(EV用高速充電設備)、フライング・ホエールズ(貨物飛行船)、イノバフィード(飼料用昆虫由来タンパク質)、ベルコール(リチウムイオン電池、)の7社が加わり、エコロジー移行に関連したスタートアップの数は10社となった。
今回選定された120社の合計売上高は113億ユーロ(前年95億ユーロ)、国内雇用者数は前年比5.8%増の4万7,800人で、資金調達額は総額135億ユーロと前年の116億ユーロから16%増加した。
マクロン大統領は同日に演説し、総額540億ユーロの国家投資計画「フランス2030」からスタートアップ支援の加速に50億ユーロを充てる方針を確認し、2023年夏までに追加で100社余りの技術系企業を選定すると発表した。また、2019年にマクロン大統領が発足を発表したレートステージ(成熟段階)のスタートアップ企業向け投資ファンド(TiBiファンド)を通じ(関連トランプ ゲーム ブラック)、金融・保険会社などの機関投資家から60億ユーロの資金を引き出すことに成功したと述べ、新たなファンド「TiBi 2」を設置する意向を示した。
(注)BPIフランスの定義によると、評価額10億ドル以上の非上場企業。
(山崎あき)
(フランス)
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