ユニークな日本のテーブル&クックウェアに関心

(台湾、日本)

国際経済課

2023年03月07日

台湾でキッチンやテーブル用品などを販売するDay & Day Tradingのヴェニッサ・ジュン・プロダクト・マネジャーに、売れ筋商品や、サステナブルな観点での日用品市場について話を聞いた(取材日は224日)。

1979年創業の同社は、ステンレス製のキッチンやテーブル用品のデザインから生産までを手掛けるメーカー(社名は「Day & Day」)を母体とする事業。現在は同メーカー商品と自社デザイン商品、輸入商品を販売している。自社デザイン商品は、インハウスのデザイナーがデザイン(外注生産)したテーブルウェアやアロマディフューザーなど(自社ブランド「TOAST Living」)。輸入商品は、季節イベントなど特別な日に使うテーブルウェア(西欧ブランド中心)と、毎日の生活で使うテーブルウェア(日用品)の2カテゴリーある。輸入商品のうち日用品カテゴリーの7割は日本ブランドで、KINTO(滋賀県彦根市)のテーブルウェアなどを扱う。同社はこれら商品を、主要百貨店などのリアル店舗と、主要オンラインショッピングモールの両方で販売している。主なターゲット層は3045歳。

写真 Day & Day Tradingのジュン・プロダクト・マネジャー(ジェトロ撮影)

Day & Day Tradingのジュン・プロダクト・マネジャー(ジェトロ撮影)

ジュン氏によると、近年同社の売れ筋商品に変化が出ているという。「新型コロナ感染拡大以降、テーブル&クックウェア、ディフューザー、植木鉢は売り上げが増加している。台湾人は従来よく外食をしていたが、新型コロナ感染拡大の影響でライフスタイルが変化し、自宅で過ごす時間が増えたことが背景にある」(ジュン氏)。同社では現在、ハンドメイドグラス、テーブルウェア、弁当箱(ステンレス製)、日本製のクックウェアやタオルなど、「日用品でありながら、ユニークでスペシャルな日本ブランドを探している。台湾では日本製の商品イメージはとてもいい」(ジュン氏)ようだ。

「サステナブル」は消費者よりも事業者が先行

台湾の消費者は、日用品に脱炭素などのサステナブルな要素を求めているのだろうか。「台湾はまだそこまで成熟していない。商品の原料の脱炭素化を求めるような消費者の声は当社にはまだ届いていない。デザインの段階からパーツの配置を工夫し無駄なく生地を使い切って製造した鞄(かばん)を取り扱っているが、消費者がその点にそれほど強く関心を持っているようには感じない。ただ、中長期的には消費者も変わっていくと考えている。なお、保温性のあるタンブラーが売れているが、店舗に持参することで(プラスチックなどの)容器の使用量を減らすなど、結果的に消費者のエコな活動につながっている面はある」とジュン氏は指摘する。

他方、事業者のサステナブルな取り組みは進んでいるようだ。「(鞄の例のように)メーカーがサステナブルな商品の開発を進めていることもあり、(当社における)そういう商品の取扱量は自然と増えてきている。また、オンラインショッピングの場合、再利用可能な宅配箱に入れて届けるなど物流サービス面でも取り組みがみられる」(ジュン氏)。

(古川祐)

(台湾、日本)

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