2月の自動車市場、前年同月比で4カ月ぶりにプラス

(中国)

上海発

2023年03月16日

中国自動車工業協会(CAAM)は310日、2月の自動車市場動向を発表した。自動車販売台数は前年同月比13.5%増の1976,000台、生産台数は同11.9%増の2032,000台だった。2023年は春節(旧正月)休暇が1月となり、2月は通常どおり稼働、前年同月の基数が低かったことからも、202210月以来4カ月ぶりに前年同月比でプラスに転じた。また、前月比でも販売台数が19.8%増、生産台数が27.5%増となった。12月の累計でみると、販売台数が3625,000台で前年同期比15.2%減、生産台数が3626,000台で同14.5%減だった。

販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比10.9%増の1653,000台、商用車が同29.1%増の324,000台だった。うち、新エネルギー車は同55.9%増の525,000台で、自動車販売台数全体に占める割合は引き続き上昇し、26.6%に達した。

輸出は前年同月比82.2%増の329,000台だった。車種別では、乗用車が同85.8%増の271,000台、商用車が同67.2%増の58,000台、新エネルギー車は同79.5%増の87,000台だった。

12月の自動車市場について、CAAMは「国内の需要はまだ完全に引き上げることができていない。前年末のガソリン車の車両取得税優遇政策と新エネルギー車購入支援策の終了直前の駆け込み需要の影響で、12月の総生産・販売が前年同期より明らかに下落した。自動車産業の安定成長は依然として困難で、第1四半期(13月)の目標実現は政府による支援策が引き続き必要だ」と説明した。

3月の乗用車市場について、乗用車市場信息聯席会(CPCA)は「3月はモデルチェンジが行われる時期だ。各省・市が打ち出す消費促進政策や、モーターショーなどのオフラインでの活動が全面的に回復し、自動車の消費を加速する。2022年は自動車排出ガス基準で最も厳格な『国6B』(注)の在庫車両が多かったが、価格低下による在庫整理が進み、自動車消費に貢献するだろう」と述べたほか、「最近の炭酸リチウムなどの原材料価格の低下で、新エネルギー車が有利となり、自動車市場全体の注目度も上昇し続けるだろう」との見通しを示した。

(注)中国の自動車排出ガス基準は「国1」~「国6」まで6つの基準がある。中でも「国6」は「国6A」と「国6B」の2種類に分かれ、「国6B」は最も厳格な排出ガス基準となる。

(宋青青)

(中国)

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