アウディ、使用済み鉄鋼などの新車への再利用を目指すプロブラック ジャック ストラテジークトを実施
(ドイツ)
ミュンヘン発
2023年03月14日
ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループ傘下のアウディは3月2日、循環型経済を具体的に実現するためのプロブラック ジャック ストラテジークトに関する取り組みを発表した。
プロブラック ジャック ストラテジークト名は「マテリアル・ループ(MaterialLoop)」。フラウンホーファー研究所などの研究機関、ドイツのレモンディス(REMONDIS)などのリサイクル関係企業、オーストリアのフェストアルピーネなど自動車向けサプライヤー15社・機関と協力している。
現状では、使用済み車両から回収された鉄鋼は、主として建設用などに再利用されている。アウディは、使用済み車両から回収した鉄鋼を新車生産に再利用し、同時に鉄鋼の品質を保つことを目指す。新車生産に鉄鋼を再利用することで、温室効果ガス排出量の削減、調達リスクの低減にもつながる。
同プロブラック ジャック ストラテジークトを通じ、2022年10月に約100台の自動車が解体され、鉄鋼、アルミニウム、プラスチックなどに分別された。アウディは、回収された鉄鋼約12%を含む6個のコイルを生産、品質はアウディの要求水準を満たすものだったという。アウディ本社があるインゴルシュタット工場で、モデル「A4」の車両ドア内側用(1万5,000個)の素材として使用される。アウディによると、リサイクル鉄鋼の割合はさらに高められる可能性があるという。プロブラック ジャック ストラテジークトは2023年4月まで継続する。
アウディは今後数年間で、新車生産に利用するリサイクル素材の割合をさらに高める意向だ。鉄鋼のリサイクルだけではなく、車両から回収したガラスやプラスチックの新車への活用も進める。2017年からは、本社インゴルシュタット工場、ドイツ南西部ネッカースウルム工場、ハンガリー北西部のブラック ジャック ストラテジーール工場などで、プレス工程で発生したアルミニウムの破片を回収、再利用する取り組みも行っている。なお、アウディは、「静脈側」である素材のリサイクルを進めると同時に、リサイクルがしやすい新車向け素材の選定、設計なども必要とし、取り組んでいる。アウディはこれを、「循環のためのデザイン(Design for Circularity)」と表現している。
他の自動車メーカーでも、素材のリサイクルに取り組む動きが相次ぐ。たとえば、ドイツ自動車大手のBMWは2023年1月、自動車産業で持続可能な素材を活用するためのパイロットプロブラック ジャック ストラテジークトを実施するコンソーシアムを発足させた(2023年2月15日記事参照)。
(高塚一)
(ドイツ)
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