リヤドで娯楽分野の国際会議を開催
(中東、サウジアラビア)
リヤド発
2023年03月10日
サウジアラビアの首都リヤドで3月7~8日、「中東トレードサミット」が開催された。今回のフォーラムは、サウジアラビア娯楽庁(General Entertainment Authority:GEA)が国際遊園地アトラクション協会(IAAPA)と共同で開催するもので、エンターテインメント業界の最新動向やイノベーションとともに、業界が直面する課題と解決策を議論することを目的とする。中東地域を中心に世界40カ国から合計数百人が参加し、スピーカーとしてディズニーランド・パリやシックス・フラッグスなどの世界大手企業のほか、国内で大型娯楽施設の開発を進めるサウジ・エンターテインメント・ベンチャー〔Saudi Entertainment Venture(SEVEN)〕や中東最大規模のテーマパークを建設中のキディヤ(Quiddiya)などの関係者が登壇した。
サウジアラビア政府が進める国家改革「ビジョン2030」では、外国観光客の誘致や、関連産業育成を通じた産業多様化、生活の質の向上などが重視されている。遊園地など娯楽施設などを含むエンターテインメント産業は、いずれの分野にも貢献する分野として政府の期待は高く、新規参入を図る国内企業も増えている。今回のイベント参加希望者も想定以上に多く、開催の約2週間前には入場券が完売となった。
関係者は異口同音に市場可能性を強調
2日間にわたる会議では、娯楽施設の管理・運営、顧客戦略、安全管理、サウジアラビア国内のブラック ジャック コツ、人材育成、娯楽産業の展望、収益性やサプライチェーンの改善など幅広いテーマで議論が行われた。
ブラック ジャック コツと娯楽産業の展望のセッションでは、サウジアラビア市場の成長可能性の高さを強調する登壇者の発言が目立った。例えば、SEVENのチーフ・アトラクション・オフィサーであるダミアン・ラサム氏は「2018年から国内市場調査を開始したが、当時と比較して(成長可能性は)より具体化している」と説明した。同社は2022年11月に、今後、全国14都市で総額500億リヤル(約1兆8,000億円、1リヤル=約36円)の投資計画があることを発表している。
また、関係者からは、プロジェクトを進める上で、施設建設を担う関係業者の逼迫や専門人材の不足を懸念する質問も多く出た。前述のラサム氏は「国内で多くのプロジェクトが並行して進んでいるのは事実だが、企業名やプロジェクトの知名度があるので、特に問題は生じていない」と状況を説明した。
(秋山士郎)
(中東、サウジアラビア)
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