中国、外資金融の参入を相次いで承認

(中国)

広州発

2023年02月09日

中国証券監督管理委員会(以下、CSRC)は2月3日、米国金融大手モルガン・スタンレーの合弁会社であるモルガン・スタンレー華鑫基金管理(モルガン・スタンレーファンド)の実質的支配者の変更申請を承認したと発表した。モルガン・スタンレーファンドは、モルガン・スタンレーおよび地場企業の華鑫証券、深セン市基石創業投資が共同出資し、2008年に合弁会社として深セン市に本部が設置された。今回の変更により、モルガン・スタンレーは、上記中国パートナー2社が保有する全ての株(2社による持ち株比率合計51%)を譲り受け、モルガン・スタンレーファンドを完全子会社化する。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのダニエル・シムコビツ最高経営責任者(CEO)は、2023年2月3日付の同社公式サイトにおいて「中国の公募ファンド事業を完全子会社化することで、発展が著しい中国の資産管理市場に対し、より豊富で多元的なサービスの提供が可能となるだろう」と述べたうえで、中国市場は同社のグローバルな投資管理ビジネスの成長にとって重要な柱になると期待を示した。

中国におけるファンド管理会社と証券会社の外資出資比率に対する制限は、2020年から全面的に撤廃された。2023年2月5日付の第一財経によれば、2月4日現在、外資独資の公募ファンド管理会社は7社となる。うち、新規の会社設立申請と上記モルガン・スタンレーファンドを含む合弁会社の外資独資化に関する申請が、直近3カ月以内に4件承認された。

公募ファンドのほか、証券市場でも外資系企業の動きがみられた。CSRCは1月19日、英国銀行大手スタンダードチャータードが中国に証券会社を設立することを承認したと発表。スタンダードチャータードの香港子会社(以下、香港子会社)が100%出資し、中国では証券仲買、証券資産管理などの事業を行うという。香港子会社の2月3日の発表によると、上述の2020年の外資出資比率制限の撤廃以降、グリーンフィールド投資(注)による外資100%の証券会社の設立をCSRCが承認したのは原則初めてだという。

(注)企業が投資先国に新たな法人を設立する新規投資のこと。

(汪涵芷)

(中国)

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