新型コロナの水際対策を全廃、エンデミック移行に

(シンガポール)

シンガポール発

2023年02月15日

新型コロナウイルスに関するシンガポール政府タスクフォースは2月13日から、国内外の感染状況が一段と落ち着いたとして、水際対策を全廃した。また、同日から、鉄道やバスなどの公共交通機関でのマスク着用義務も解除するなど、残っていた感染防止策もほぼ全て撤廃。タスクフォースの共同委員長を務めるローレンス・ウォン副首相兼財務相は2月9日の会見で、「国内の残りの規制措置を解除し、新型コロナウイルスのエンデミック(一定期間で繰り返し流行する)のニューノーマルを確立する時期に入ったと判断した」と述べた。

発表(2月9日)によると、新型コロナウイルスのワクチン未接種者について、入国前48時間以内の検査による陰性証明の提示を2月13日から不要とし、ワクチン未接種者への旅行保険の購入義務も撤廃した。しかし、シンガポールへの空路・海路での全ての入国者(在住者も含む)は引き続き、入国前3日以内にオンラインの入国カード「SGアライバルカード」での健康申告が義務付けられる。

また、2月13日から、公共交通機関や医療・介護施設でのマスク着用義務も撤廃した。ただし、保健省は病院や介護施設の入所者と接するスタッフ、見舞いに訪れる人などに対しては引き続き、マスク着用の習慣を続けるとしている。さらに、シンガポール食品庁(SFA)も引き続き、食品を取り扱う事業者に対してマスク、または保護シールドの着用を求める。

感染警戒レベルを引き下げ、政府タスクフォースを解散

タスクフォースは2月13日から、国内外の感染状況の沈静化を受けて4段階の感染警戒レベルを、上から3番目の「イエロー」から一番リスクの低い「グリーン」に引き下げる。また、2020年1月に設置した政府タスクフォースを解散し、今後の感染対策については保健省が引き継ぐ。

政府はワクチン接種(注)を引き続き「感染対策の第一線と位置付ける」と強調している。国民、永住権者(PR)、就労査証保持者については今後もワクチンを、無償で提供する。さらに、PRや就労査証の新規申請や更新にあたり、引き続きワクチン接種を義務付ける。このほか、今回の新型コロナウイルスの感染防止措置緩和の具体的な内容については、保健省の2月9日付の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注)5歳以上について、最低でもmRNAワクチンの3回の接種、または中国シノバック製のワクチンの4回の接種が義務付けられる。保健省は60歳以上の高齢者について、前回の接種から約1年後の接種を強く推奨している。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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