EU理事会、ブラック ジャック ルール ディーラー、適用を開始
(EU、ロシア)
ブリュッセル発
2023年02月09日
EU理事会(閣僚理事会)は2月4日、ロシアからEU域外国に海上輸送される石油製品の上限価格について、製品により1バレル当たり100ドルと45ドルとすることで合意した(プレスリリース)。この上限価格は翌5日から適用を開始しており、EU域内の事業者は、今回設定された上限を超える価格で売買されたロシア産石油製品に関して、域外国への海上輸送のほか、技術支援、仲介、資金供給、保険付保といった関連サービスを提供することが禁止された。今回の合意は「上限価格連合(Price Cap Coalition)」と呼ばれる、日本やEUを含むG7諸国にオーストラリアを加えた枠組みによる合意に基づくものだ。
今回、上限価格が導入されたのは、CNコード(注)2710に分類される石油製品。軽油、灯油、ガソリンなど原油に対してプレミアムの付く石油製品に関しては、1バレル当たり100ドル、重油など原油に対してディスカウントされる石油製品に関しては、同45ドルがそれぞれ上限価格となる。ただし、55日間の移行期間が設定されており、2月5日以前に積み出し港で船積みされ、4月1日以前に最終目的地で荷揚げされる対象製品に関しては、上限価格は適用されない。
EUは2022年6月、ロシアによるウクライナ侵攻に対する制裁パッケージ第6弾(2022年6月6日記事参照)の一部として、海上輸送によるロシア産石油のEU域内への輸入原則禁止を決定。EU域外国によるロシア産石油の輸入に関しても、域外国への供給を止めることなく、ロシアの石油収入を減らすことを目的に、G7は9月、ロシア産石油に対して上限価格を導入することで合意した。これに伴い、EUは10月に制裁パッケージ第8弾(2022年10月7日記事参照)の一部として上限価格の導入を採択。12月からロシア産原油を対象にした上限価格を導入している(2022年12月6日記事参照)。
(注)EUの域外共通関税を設定するための合同関税品目分類表(CN:Combined Nomenclature)。
(吉沼啓介)
(EU、ロシア)
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