公共交通機関でのマスク着用義務、ついに解除
(スペイン)
マドリード発
2023年02月09日
スペイン政府は2月8日から、公共交通機関でのマスク着用義務を解除した。今後、一般(6歳以上)に着用が義務付けられる場所は、医療機関、薬局、福祉施設のみとなった。なお、福祉施設、特に高齢者施設では入居者自身は不要だが、入居者と接触する従業員や訪問者は引き続きマスクを着用しなければならない。
公共交通機関には、タクシーや航空旅客機も含まれる。スペインはこれまでEU加盟国の中で唯一、航空機の離発着便でのマスク着用を義務付けており、スペイン航空協会(ALA)をはじめとする旅行業界が規制撤廃を再三、要求していた。
公共交通機関におけるマスク着用義務は、2020年5月から2年8カ月以上にわたり続けられてきた(関連実写 版 ブラック ジャック)。スペインでの感染状況は2022年夏の第7波以降は非常に安定しており、2023年2月3日時点で、60歳以上の直近14日間の新規感染率は人口10万人当たり50.8人と低い。
カロリーナ・ダリアス保健相は、急性呼吸器疾患の症状がある者や、高齢者、妊婦、免疫不全者などの感染リスク層について、またこうしたリスク層と接触する場合には、「責任あるマスク着用」を引き続き推奨している。
2月8日朝のマドリード市内の公共交通機関では、解除日についての周知不足や、風邪やインフルエンザの流行もあり、まだ大多数の人がマスクをしていた。今後は徐々にマスク使用者も減り、正常化が一層進むとみられる。
(伊藤裕規子)
(スペイン)
ビジネス短信 398c46d76a59eb06