大規模森林火災で死者26人に、政府は大災害事態宣言を発令

(チリ)

サンティアゴ発

2023年02月07日

チリのガブリエル・ボリッチ大統領は2月3日、南部で発生している森林火災に関連し、ビオビオ州とニュブレ州、翌4日にアラウカニア州に対して、大災害事態宣言(Estado de Excepción Constitucional de Catástrofe)を発令した。これに伴い、この3州では軍の指揮下、災害地の秩序・治安の確保や、消火・救助活動などが行われる。2月3日と4日に公示した。発令期間は官報公示から30日間。必要ならば延長も可能。

2月6日の政府発表によると、同日時点で275件の火災が発生しており、そのうち161件は既に制御下にあるものの、69件は消火活動が行われている。5日時点で負傷者は1,182人で、6日時点の死者は26人と発表された。ほかにも、火災による住宅の焼損は1,000軒以上と報告されており、森林火災が沈静化しない限り、被害は今後も増加するとみられている。

今回の森林火災は、40度近くの猛暑が続いたことに加えて、湿度が低く、強風が吹きやすいチリ南部の地域を中心に発生した。政府は、森林火災の原因は99%が人的要因と説明しており、火災を引き起こした人物らの特定を急いでいる。6日時点では11人を放火容疑で拘束しており、13人に対して調査を開始したと発表している。

諸外国も消化・救助活動を支援

今回の火災に関連し、諸外国からはチリに対する支援が既に行われている。スペインからは森林火災の専門家を含む救助隊50人が既に到着している。メキシコから派遣された150人の救助隊は現地での消火・救助活動に加わった。ほかにも、アルゼンチン、コロンビア、エクアドル、ブラジル、ボリビア、ポルトガル、米国などから消防車やヘリコプターの提供や、消防・救助隊の派遣を含むさまざまな援助が行われる予定と政府は発表している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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