2023年のIMFの成長予測、アフリカは3.8%、中東・中央アジアは3.2%
(中東、アフリカ、サウジアラビア、ナイジェリア)
中東アフリカ課
2023年02月01日
IMFが1月31日に公表した報告「世界経済見通し(改訂版)」によると、サブサハラ・アフリカの2023年の成長率は前回報告(2022年10月時点)から0.1ポイント上方修正の3.8%との予測となった。ナイジェリアでの石油部門の改善が上方修正の要因の1つとして挙げられている。一方で、南アフリカ共和国では電力不足などにより経済の落ち込みが予測されている。また、新型コロナウイルス禍での政府支出増加や、成長率の鈍化、借り入れコストの上昇などにより、低所得国のうち約15%が債務危機に陥っているという。
中東・中央アジアの2023年の成長率は、前回報告から0.4ポイント下方修正の3.2%となる見通しだ。下方修正の要因の1つは、OPECプラスが石油の大幅減産に合意したことによる中東産油国での経済の減速だ。サウジアラビアについては、2022年の成長率は前回報告と比べて1.1ポイント増の8.7%と上方修正されたものの、2023年は同1.1ポイント減の2.6%と下方修正された。
【2023年成長率(実質GDP見込み、IMF)】
- 世界:2.9%
- 先進国:1.2%
- 新興国:4.0%
- サブサハラ・アフリカ:3.8%
- 中東・中央アジア:3.2%
IMFの報告によると、ロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギーや食糧の価格上昇により、世界のインフレ率は2022年に8.8%になった。今後の石油・天然ガス価格の動きにもよるが、2023年は6.6%、2024年には4.3%と落ち着くとの予測を示している。一方、物価上昇への対策として金融引き締め政策をとっている国も多いため、世界の経済成長率は2022年に3.4%だったが、2023年には2.9%と鈍化する見込みだ。2024年の成長率を見ると、世界では3.1%、サブサハラ・アフカでは4.1%、中東・中央アジアでは3.7%となり、それぞれ2023年と比べて緩やかに加速する見通しだ。
【2024年成長率(実質GDP見込み、IMF)】
- 世界:3.1%
- 先進国:1.4%
- 新興国:4.2%
- サブサハラ・アフリカ:4.1%
- 中東・中央アジア:3.7%
(井澤壌士)
(中東、アフリカ、サウジアラビア、ナイジェリア)
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