クルンテープ・アピワット中央駅が本格稼働
(タイ)
バンコク発
2023年01月31日
タイ国有鉄道(SRT)は1月19日、フアランポーン駅の一部機能をクルンテープ・アピワット中央駅(旧名称:バンスー中央駅)に移転し、当駅発の長距離列車の運行を開始した。当日はクルンテープ・アピワット中央駅の正式開業式典を行い、サックサヤーム・チッチョーブ運輸相が出席した。式典後には記念走行も行われ、2021年12月にJR北海道から譲り受け、タイで再整備した「キハ183系」が同駅からタマサート大学駅まで走行した。なお、バンコク近郊行きの列車や、観光列車などは引き続きフアランポーン駅から出発する。
クルンテープ・アピワット中央駅は日本の円借款事業による支援を受けて建設され、2021年8月には同じく円借款事業により建設した高架鉄道レッドラインが一部区間の運行を開始していた。将来は、残る在来線の同駅への移転と各高速鉄道などの乗り入れを予定しており、新たなターミナル駅としての機能を拡充する予定となっている。
同駅周辺地区はスマートシティとして開発される予定で、日本の国土交通省および独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)がタイ運輸省およびタイ国有鉄道と協力覚書に署名して推進している(2020年12月22日記事参照)。2022年12月7日には4者間で協力覚書の更新を確認し、加えて、覚書に基づく開発推進のため、UR都市機構と事業推進の役割を担うタイ国有鉄道資産管理会社のSRT Assetとの間で合意文書を交換し、協力関係の強化を確認している。今後はターミナル機能の強化と周辺地区のスマートシティ開発により、同エリアのさらなる発展が期待される。
(川村輔、デゥアンパニッチ・チュティマ)
(タイ)
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