IHIと米GE、アンモニア専焼大型ガスタービン開発で提携

(米国、日本)

ヒューストン発

2023年01月20日

IHIは1月18日、米国ゼネラル・エレクトリック(GE)ガスパワー(本社:ニューヨーク州スケネクタディ、以下GE)と、低炭素社会の実現をめざして両社が協力し、発電分野における温室効果ガス(GHG)排出ゼロの達成に向けて、大型重構造型ガスタービンに適用するアンモニア燃焼技術を開発するための覚書を締結したと発表した。

両社は、2021年にカーボンフリーのアンモニアを燃料とするガスタービンの事業化を目指した市場・需要調査の共同実施に関する覚書を締結しており、IHIは今回の覚書はこれに続く重要なマイルストーンとなるとしている。

今回の覚書に基づき、両社は大型アンモニアガスタービンの技術開発ロードマップ策定を進め、安全性・競争力・環境性に優れたアンモニア100%燃焼(専焼)技術をGE製ガスタービン向けに2030年までに開発し、既設のGE製大型ガスタービン発電設備へのアンモニア燃料転換改造および新設大型ガスタービンの国内外での需要に応えていくとしている。

IHIの井手博代表取締役社長は「当社は燃料アンモニアの製造、輸送、貯蔵、使用というアンモニアバリューチェーン全体において広く事業を展開している。GEとの協業により、国内外での大型アンモニアガスタービン需要に応え、さらなる燃料アンモニアの需要を喚起することで、燃料アンモニアのバリューチェーンを拡充し、カーボンニュートラル社会の早期実現に全力を注ぐ」と述べた。

GEガスパワーを含めエネルギー関連事業を統括するGEベルノバのスコット・ストレイジック最高経営責任者(CEO)は「GEは、世界的なアンモニアバリューチェーンの展開およびアンモニア燃焼技術において先進的に開発を進めるIHIとともに、各国のエネルギー政策を支援する重要な役割を担っている。われわれはこの協働により、アンモニアのようなカーボンフリーな燃料が発電事業者のGEのガスタービンに適用され、世界的な発電市場における二酸化炭素(CO2)排出量の削減に大きく貢献できることを目指している」と述べた。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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