2022年の新車登録台数は前年比4.4%減、3台に1台がEV
(ベルギー)
ブリュッセル発
2023年01月19日
ベルギー自動車工業会(FEBIAC)は1月5日、2022年の乗用車の新車登録台数を36万6,303台と発表(プレスリリース)した。前年比で4.4%減となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響が市場に現れた2020年以降、3年連続の減少となった。一方で、新車の3台に1台は電気自動車(EV、注)になるなどの新しい傾向も見られた。
乗用車の新車登録台数は2022年4月に前年同月比で23.6%減と、大幅な落ち込みを記録し、5月には累積で16%減となるなど厳しい状況となったものの、8月には14カ月ぶりに前年同月比で増加に転じ、その後、5カ月連続で前年同月を上回り、年末まで回復基調が継続した(添付資料図参照)。
ベルギーの2022年通年の増加率は、周辺国のオランダ(前年比3.4%減)や、ルクセンブルク(同5.1%減)、フランス(同7.8%減)の中間に位置する結果となった。
2022年のベルギーの乗用車市場は例年以上に法人需要に支えられ、新車登録台数に占める社用車の割合は前年の57.7%から61.9%まで上昇した。新型コロナ禍の中、多くの法人が現有社用車のリース契約を延長したが、新型コロナ禍収束に伴って買い替え需要が高まったものとみられる。また、企業は環境配慮型の車両を購入する傾向が強いことを背景に、社用車中心の市場であるベルギー市場の「グリーン化」が進んだ。EVのシェアは2021年は23.5%だったが、2022年には34%となり、10ポイント強シェアを伸ばした。中でもバッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などのプラグイン車のシェアが拡大しており、2021年の18.4%から、2022年には26.5%になった。
ベルギーでは、2023年1月14~22日に100回目となるブリュッセル・モーターショーが開催されており、通常の新車展示に加え、新たな試みとして、約1,000平方メートルを使い、モータースポーツをベースにしたeスポーツのイベント・展示を行っている。新型コロナ禍で開催が延期されていたために、今回のモーターショーは3年ぶりの開催となった。
(注)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド式電気自動車(HEV)の合算値。
(大中登紀子)
(ベルギー)
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