スエズ運河でウクライナ産穀物の積載船舶が座礁、他船は航行継続
(エジプト)
カイロ発
2023年01月12日
エジプトのスエズ運河の運航管理会社レス・エージェンシーズは1月9日、スエズ運河でばら積み貨物船が座礁したと発表した。同社によれば、事故発生から数時間後の現地時間同日午前9時45分ごろに船舶は再浮上した。南向き航路の船舶19隻に遅れが生じたが、北向き航路は通常どおり運航を続けた。スエズ運河庁のオサマ・ラビエ長官は、この事故によりスエズ運河の運航は中断されていないとしている。
報道によれば、座礁した船舶は約6万6,000トンのウクライナ産トウモロコシを積載しており、2022年12月にウクライナを出発、中国に向かっていた。同船舶は、ロシアの侵攻によって中断されたウクライナからの食糧輸出を再開するための黒海穀物輸出イニシアチブのもと、運航されていた。事故の原因は冷却部品の不具合によるもので、現地時間9日午前11時過ぎには交換が完了し、検査のために停泊場所に向かったと報じられている。
スエズ運河では2021年3月にコンテナ船の座礁事故が発生し(2021年3月26日記事参照)、世界の物流に甚大な影響を与えた。エジプト政府によれば、2022年のスエズ運河の通貨船舶数は合計約2万3,500隻に達し、運河通行料収入は前年比25%増で過去最高の約80億ドルを記録している。
(塩川裕子)
(エジプト)
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