最低賃金17.6%引き上げ、3,ブラック クイーン ブラック ジャック

(ルーマニア)

ブカレスト発

2023年01月23日

ルーマニア政府は2022年12月8日、政府決定第1447号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより最低賃金(グロス)を2023年1月1日から3,000レイ(約8万4,000円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約28円)とすることを決定した。2022年の2,550レイから17.6%引き上げた(最低賃金の推移は添付資料表参照)。時給換算では1カ月の労働時間を165.333時間として18.145レイとなる。政府の同日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、国内労働者218万人強が恩恵を受けるとしている。

また、2022年12月8日政府緊急指令168号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2019年以降3,000レイで据え置かれてきた建設業従事者の最低賃金を4,000レイに引き上げた。

マリュス・コンスタンティン・ブダイ労働・社会保護相はメディアに対し、自身がドイツの労働相と親交を深める中で、ドイツが過去10年で積極的な最低賃金引き上げ政策により経済成長をもたらしたという研究結果を引き合いに出した(1月9日付インパクト)。

グーグルが支援している起業家教育プロジェクトサイトであるスタートアップカフェの試算によると、2022年の最低賃金2,550レイの下では従業員手取りが1,524レイ、雇用者の人件費負担額は2,607レイだった。2023年の最低賃金3,000レイの下では、従業員の手取りが1,898レイ(前年比374レイ増、24.5%増)、雇用者負担は3,063レイとなるが200レイの免税措置があるため負担増は256レイ、9.8%増に抑えられる(1月1日付スタートアップカフェ)。

欧州中央銀行(ECB)は2022年12月15日発表の経済報2022年第8号で、インフレの影響を加味すると、実質消費者賃金はコロナパンデミック前より大幅に低下しており、労働組合は今後、より高い引き上げを要求する可能性があるとしている。

(西澤成世)

(ルーマニア)

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