コロンビア政府、4武装組織と半年間の停戦合意
(コロンビア)
ボゴタ発
2023年01月06日
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は2022年12月31日、国内の主要武装組織との一時停戦合意に至ったと発表した。停戦期間は2023年1月1日から6月30日までの半年間で、米州機構、国連安全保障理事会、カトリック教会が合意順守の監視や検証を担う。停戦合意の発表を受け、アントニオ・グテーレス国連事務総長は1月1日、一時停戦合意を歓迎するとともに、合意順守により紛争の影響を受ける地域社会の苦しみが軽減されると確信しているとのコメントを発表した。
政府が合意に至ったのは、セグンダ・マルケタリア(Segunda Marquetalia)、FARC人民軍(Estado Mayor Central FARC-EP)、ガイタン主義自警団(AGC:Autodefensas Gaitanistas de Colombia)、シエラ・ネバダ征服自警団(Autodefensas Conquistadores de la Sierra Nevada)の4つの武装組織だ。セグンダ・マルケタリアとFARC人民軍は、2016年に和平合意を締結したコロンビア革命軍(FARC)の分離派で、2021年12月に米国国務省の外国テロ組織(FTO)に指定されている。ガイタン主義自警団は、かつてFTOに指定され2006年に武装解除したコロンビア自警軍連合(AUC)の分離派で、コロンビア最大の武装麻薬組織だ。
左派系武装組織の民族解放軍(ELN)については、ペトロ大統領は2022年12月31日、一時停戦合意に至ったと発表したものの、ELN側が2023年1月3日に否定する声明を発表。これを受け政府は、ELNとの一時停戦を定めた法令については撤廃する旨を明らかにした。なお、ELNとの停戦協議は2022年11月21日からベネズエラで行われており、12月12日に第1回ラウンドが終了している。政府はELNとの協議を継続する姿勢を示している。
ペトロ大統領は2022年8月の就任以降、国内の真の最終的な平和実現を優先事項に掲げている。11月4日には完全な平和法(2022年法律2272号)に署名し、和平政策を優先的な「国家の政策」として再定義し、武装組織や犯罪組織へのアプローチと話し合いを行うことを定めた。旧FARCとの和平合意履行およびELNとの和平交渉再開に加え、その他の非合法組織とも対話をすることで、コロンビアの「完全な平和(Paz Total)」を実現することを目指している。
(茗荷谷奏)
(コロンビア)
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