2022年家計支出は14.0%増、ベネズエラ避難民流入と新型コロナ禍後の就労人口増が寄与
(コロンビア)
ボゴタ発
2023年01月19日
調査会社ラダー(Raddar)によると、2022年のコロンビアの家計支出は941兆5,000億ペソ(約28兆2,450億円、1ペソ=約0.03円)だった。前年の836兆ペソから14.0%増となった。インフレの影響を取り除いた実質値では3.4%増だった。項目別では、食品が358兆8,000億ペソと、支出全体の38.1%を占めた。次いで、住宅(203兆5,000億ペソ、21.6%)、交通・通信(145兆2,000億ペソ、15.4%)が続いた。
ラダーは家計支出が拡大した背景について、1.2015年から急増したベネズエラ避難民流入による人口増加、2.就労者数増加、3.母国送金受け取り額増加、4.ローン契約数増加の4つを挙げている。1.の人口増加について、国家統計庁(DANE)によると、2022年8月までにベネズエラ避難民登録簿への登録を完了した人は245万人に達している。2.の就労者数増加については、新型コロナ禍後の経済再開に伴い、2022年11月の就労者数は2,249万人と、前年同月比で122万人増加した。3.の母国送金受け取り額に関しては、2022年1~11月の受取額は94億ドルと、前年同期の84億ドルから11.9%増えた。加えて、ドル高の影響もあり、ペソ換算では26.3%増加したことになる。最後の4.は、住宅ローンを除いたクレジットカード発行数や消費者ローンなどのローン契約数が前年比18.2%増となっている。
家計支出の拡大は、コロンビア経済の堅調な成長を下支えした。2022年第3四半期(7~9月)のGDPに占める民間最終消費支出(注)の割合は73.3%に達しており、前年同期比7.8%増となった。これは全体の成長率7.0%を上回っており、ラダーは第4四半期(10~12月)もこのトレンドは継続するとみている。なお、2023年の家計支出は前年比3.7%拡大すると見通している。
(注)家計支出と対家計民間非営利団体消費支出の合計。
(茗荷谷奏)
(コロンビア)
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