政府、ブラック ジャック ルール ディーラー、生産拡大を目指す
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2023年01月18日
ドイツ連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省は1月10日、合成燃料(e-fuel、注1)製造用のパワー・ツー・リキッド(PtL)設備に約600万ユーロを出資したと発表した。同設備は、グリーンテック企業のイネラテック(INERATEC)が計画しているもの。出資は、環境イノベーションプログラムの枠組みに基づき行う。同設備は、ドイツ国内においてカーボンニュートラル(炭素中立)な合成燃料を大規模製造する初の大型設備で、化学産業や交通分野における二酸化炭素(CO2)排出量削減への貢献が期待される。
新設備は2023年に稼働し、合成燃料の年間最大生産能力は2,500トンになる予定だ。生物由来のCO2(注2)を使用するほか、将来的にはグリーン水素(注3)で運転される予定。水を水素と酸素に電気分解し、その水素とCO2を、燃料と化学物質の原料として利用する。合成燃料は、ジェット燃料、ガソリン、軽油などの化石燃料の代わりに利用できる。また、モジュラー方式により設備の柔軟な運用が可能で、供給が不安定な再生可能エネルギー(再エネ)による運用にも適している。なお、再エネによる電力を使用して製造した合成燃料は、燃焼では製造過程で結合した分のCO2だけが排出される、カーボンニュートラルな燃料となる。また、燃焼過程において排出される大気汚染物質も少ない。
ヘッセン州での実証プロジェクトも政府からの後押しを受ける
「航空業界における気候・騒音対策コンピテンスセンター(CENAヘッセン)」は、2022年10月から2026年8月までの期間中、合成燃料製造のためのリアルタイム電力供給プロジェクト(RePoSe)を行っている。供給量が不安定になりがちな再エネ由来電力と、それを補完するエネルギー源の水素との供給バランスをコントロールして、合成燃料製造のエネルギー供給を効率化する。イネラテックも同プロジェクトに参加しており、同プロジェクトに対してはデジタル・交通省が340万ユーロ、ヘッセン州が最大125万ユーロ出資する。同省はドイツの航空産業向けに、2030年までに持続可能なジェット燃料を少なくとも年間20万トン生産する目標を掲げている。
(注1)合成燃料はCO2と水素を合成して製造する。従来の化石燃料の代替となることが期待される。
(注2)例えば、バイオマスを発酵させバイオエタノールを製造する際に発生するCO2。
(注3)再生可能エネルギー由来の電力を利用して、水を電気分解して生成される水素。製造過程でCO2を排出しない。
(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)
(ドイツ)
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