JERA、米CFインダストリーズとブルーアンモニア製造・燃料アンモニア調達で提携
(米国、日本、ノルウェー)
ヒューストン発
2023年01月19日
日本の発電会社JERAは1月17日、米国のアンモニア・窒素系肥料メーカーのCFインダストリーズ(本社:イリノイ州ディアフィールド)と、ブルーアンモニア(注)製造事業の共同開発と、JERAが保有する愛知県碧南市の碧南火力発電所4号機のアンモニア20%混焼に向けた燃料アンモニア調達で、協業を検討することとし、両社で覚書を締結したと発表した。
この覚書は、JERAが2022年2月18日から実施していた国際競争入札の結果として締結したもので、これに基づいて、両社は以下の協業を検討していくとしている。なお、JERAは、CFと同業のノルウェーのヤラ・インターナショナル(本社:オスロ)とも同様の協業を検討していくとしている。
1. 2027年度の20%混焼運転開始を計画する碧南火力発電所4号機向けの燃料アンモニア調達(所要量:年間最大50万トン)
2. CFが米国メキシコ湾岸で開発を検討する年間製造能力100万トン超のブルーアンモニア製造事業に係る共同開発
JERAは、米国でエネルギーの安定供給や脱炭素化に向けた取り組みを進めており、2022年5月にマサチューセッツ州とメーン州での火力発電事業の権益取得を発表した(2022年5月16日記事参照)。10月にクリーンエネルギー供給基盤構築に向け、米国インタートラスト・テクノロジーズへの出資を発表した(2022年10月13日記事参照)。11月には米国シェブロンとアジア太平洋地域と米国の脱炭素分野などで提携(2022年11月9日記事参照)、また、日本郵船、商船三井と燃料アンモニアの輸送に向け協業を発表した(2022年11月28日記事参照)。12月にも英国ゼノベと米蓄電池事業の共同開発合意書の締結(2022年12月19日記事参照)を発表した。
(注)天然ガスから製造されるアンモニアで、製造時に排出される二酸化炭素(CO2)を回収・貯留(CCS)や回収・利用・貯留(CCUS)などによって分離・除去されたもの。
(沖本憲司)
(米国、日本、ノルウェー)
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