南ア国会、ラマポーザ大統領の弾劾手続きを否決
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2022年12月15日
南アフリカ共和国の国会で12月13日、シリル・ラマポーザ大統領に対する弾劾手続きの実施が見送られた。同大統領の汚職疑惑(2022年12月2日記事参照)について弾劾手続きを行うか否かに関し、特別臨時国会が開催されていた。
国会議員による投票の結果、過半数の214人が弾劾手続きの実施に反対、148人が賛成、2人が棄権だった。先週の段階で、与党・アフリカ民族会議(ANC)の全国執行委員会(NEC)は大統領の続投支持を表明していた(2022年12月7日記事参照)。多くのANC議員が大統領擁護の立場をとったが、報道によれば、前回のANC総裁選挙で同大統領に惜敗したドラミ二・ズマ協調統治・伝統業務相は、5人の議員とともに弾劾手続きへ賛成票を投じた。また、以前より対立していたリンドウェ・シスルー観光相や、総裁選対立候補のズウェリ・ムキゼ元保健相は議会を欠席した。
一時は、12月16日から行われるANC全国党大会総裁選における総裁候補の立場すら揺らいでいたラマポーザ大統領だが、このまま総裁2期目に入る可能性が高まった。ただし、現在も警察は捜査を継続しており、南アフリカ準備銀行や税務当局も独自で調査を行っている。
金融市場や民間企業は今回の弾劾手続き否決を好意的に受け止め、議会終了後の外為市場では一時1ドル=17.2348ランドと2%のランド高で取引された。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国)
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