米EU貿易技術評議会の第3回閣僚会議が開催、半導体での協力を強調
(米国、EU)
ニューヨーク発
2022年12月06日
米国とEUは12月5日、米EU貿易技術評議会(TTC)の第3回閣僚会議を米国メリーランド州で開催した。米国からアントニー・ブリンケン国務長官、ジーナ・レモンド商務長官、キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表、EUからはバルディス・ドムブロフスキス執行副委員長(経済総括・通商担当)、マルグレーテ・ベスタエアー執行副委員長(欧州デジタル化対応総括・競争政策担当)が参加した。
TTCは、民主的価値に基づいて新興技術や貿易面での課題に対応する新たな協力枠組みとして、2021年の米EU首脳会談(関連ブラック ジャック ディーラー)で合意されたもので、第1回(関連実写 版 ブラック ジャック)の開催以降、10の作業部会で協議が進められている。2022年5月に開催された第2回閣僚会議では、人工知能(AI)に関する技術標準や半導体サプライチェーンにおける協力などが中心的な議題となった()。今回もそれらの議題を中心に協議が行われたもよう。主な成果を記した共同声明によると、両者は信頼できるAIの開発・運用に向けた初の共同ロードマップを発表した(注)。これを基に、AIに関連する国際標準化団体において、協調的なアプローチがとられていくとしている。
また半導体については、米商務省と欧州委員会が強靭(きょうじん)なサプライチェーンの構築に向け、供給不足に関する早期警告メカニズムの実施に向けた行政的な取り決めを締結する段階に入ったとした。これは第2回閣僚会議で合意した事項で、今夏に双方で実施されたパイロットプログラムの結果を基にしているとされる。レモンド商務長官は会議後の記者会見において、半導体はTTCで扱う新興技術の中でも特に優先すべき分野であり、今回は踏み込めなかったものの、今後は輸出管理についても議論を深めたいとの意向を示した。米国は10月に、中国向けの先端半導体およびその製造技術に関する輸出管理を強化しており、同等の製造技術力を有する日本やEU(特にオランダ)にも同様の輸出管理政策を導入するよう働きかけているとされている(2022年11月7日記事参照)。
なお、米EU間で懸案となっている、米国の「インフレ削減法」に含まれるクリーンビークル〔バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)〕の購入者に対する税額控除の要件についても議論が交わされたもよう。EUのドムブロフスキス執行副委員長は記者会見の中で、本件について「わずかに楽観的な見通しを持って会議を終了できた」と発言している。本件は12月1日に行われた米仏首脳会談でも取り上げられており、ジョー・バイデン大統領は解決に向け自信を見せていた(2022年12月2日記事参照)。
(注)米ホワイトハウスは別途、会議結果のファクトシートも公表している。
(磯部真一)
(米国、EU)
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