11月のインフレ率、農村部の非食品セクターは10%超えに
(バングラデシュ)
ダッカ発
2022年12月27日
バングラデシュ統計局(BBS)は2022年11月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比で8.85%、前年の同月より2.87ポイント上昇したと発表した。
同国では6月以降、インフレ率の高止まり傾向が続いている。今般の発表によると、食品セクターのインフレ率が若干低下に転じ、特に都市部では前月比で0.8ポイント減と、低下傾向がみられたことで、前月発表の8.91%(2022年11月29日記事参照)から、国・産業全体のCPI上昇率はわずかに低下した。また、商務省(MoC)傘下のバングラデシュ貿易公社(TCB)の発表によると、鶏卵の市場価格(12月19日現在)は37タカ~40タカ(約48~52円、1タカ=約1.3円)と、前月(11月19日時点)から7.2%低下(前年比13.2%上昇)、同様に大豆油は178~190タカで前月から1.9%低下(前年比18.7%上昇)と、前月との比較では、食生活に欠かせない食材の一部に、価格低下の傾向がみられる(添付資料表参照)。ただし、小麦粉は1キロ当たり70~75タカとなっており、前年比で70.6%上昇(前月比14.2%上昇)した。
非食品セクターは上昇が続いており、国全体で前年同月比の上昇率は9.98%、農村部では10.31%、と10%を超えている状況だ。現地報道によると、建築物に多く利用されるレンガの焼成や発電用に利用される石炭の市場価格は、この3カ月間で21%上昇している(「フィナンシャル・エキスプレス」紙12月21日)。また、2022年6月以降、発電用、工業用、家庭用などのガス価格は10%以上上昇しており(2022年9月22日記事参照)、電気代の上昇も懸念されている。現時点では、配電会社が政府から電力を購入する際の価格に限り約20%引き上げられている状況で、企業・一般家庭の電気代の価格には現時点で変更はみられていない(「ビジネスポスト」紙11月22日)。
(山田和則)
(バングラデシュ)
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