石油公社、2023年投資計画でエネルギー転換推進へ
(コロンビア)
ボゴタ発
2022年12月15日
コロンビア石油公社(エコペトロール)は12月9日、2023年の事業投資計画を発表した。投資総額は25兆3,000億~29兆8,000億ペソ(約7,590億~8,940億円、1ペソ=約0.03円)で、フェリペ・バヨン代表は、2023年の投資計画を通じ、エネルギー転換を推し進め、革新的な技術を適用した持続可能性を追求し、エネルギー自給の保証へ貢献すると語っている。8月に発足したグスタボ・ペトロ政権では、化石燃料からの脱却とエネルギー転換の推進を掲げていることから、コロンビアにおけるエネルギー産業の中核をなす同社の投資動向に注目が集まっていた。
2023年事業投資計画をみると、エネルギー自給の保証や国家財政の持続可能性の維持、貿易収支の改善のために、原油・ガスの開発生産に15兆8,000億~18兆9,000億ペソを投じる。2023年の生産量は、日量72万~72万5,000バレルで、その内訳は原油76%、ガス24%を見込む。ガス・油井の探査については574カ所が計画され、試掘は25カ所が計画されている。ガス事業のみに関しては、3兆6,000億~4兆1,000億ペソを振り分け、原油換算で日量17万4,000~17万7,000バレル相当の生産を目指す。この目標には、現在の需要に加え、国内12のガス田採掘を通じた増産分も含まれる。
精製部門には1兆7,700億ペソを充て、カルタヘナ製油所とバランカベルメハ製油所(サンタンデール県)の安定的な操業と持続可能な生産の維持に注力する。製油能力は、両製油所で合わせて日量42万~43万バレルを見込む。
再生可能エネルギーによる自家発電、水素、送電網整備、エネルギー効率化には投資総額の23%に当たる5兆9,000億~6兆8,000億ペソを投じる。同分野では、今後3年間で、900メガワットの再生可能エネルギー由来の発電、5万トン以上の低炭素水素製造、40万トン近くの二酸化炭素(CO2)排出量削減、CCUS(CO2の回収・有効利用・貯留)の研究に取り組む。
(茗荷谷奏)
(コロンビア)
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