コロンビアの最低賃金、2023年は前年比16%増に

(コロンビア)

ボゴタ発

2022年12月22日

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は1215日、2023年の月額最低賃金について、政府、産業界、労働組合との間で合意に至ったと発表した。月額最低賃金は前年比で16%増となる116万ペソ(約34,800円、1ペソ=約0.03円)、交通費補助は同20%増の14万ペソに引き上げられた。コロンビアでは、月額賃金が最低賃金2カ月分までの労働者に対して、雇用者が交通費補助を支払うことが定められている。大統領府の発表によると、今回の月額最低賃金の引き上げ率は、2022年通年の生産性の向上率見通し(1.24%増)、貧困層の消費者物価指数(CPI)上昇率(11月は前年同期比14.34%)、2022年のGDP成長率見通し(9.4%)を基に決定された。最低賃金の算定に貧困層のCPIが使われるのは初めて。11月のCPI上昇率は前年同期比12.53%だったが、貧困層や脆弱(ぜいじゃく)層を対象としたCPIはそれぞれ14.34%、14.17%と高くなっている。

ペトロ大統領は、今回の最低賃金引き上げがここ数カ月のインフレで失われた国民の購買力を回復させ、さらに生産性と内需の回復により、経済成長のエンジンになることを願うと語った。会見に同席したグロリア・ラミレス労働相は、約200アイテムの公共サービスや財について、2023年の価格改定の対象外とすることを発表した。コロンビアでは毎年、最低賃金の引き上げに伴い、公共交通機関の料金や、病院受診の標準額、住宅補助などさまざまなサービスの価格も引き上げとなるが、特定の財やサービスを引き上げ対象外とすることで、消費者によるこれら財サービスの出費増加を抑え購買力を維持している。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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