米・カナダのUSMCA協議要請に関し、メキシコがエネルギー政策の問題解決へワーキングプラン提出
(メキシコ、米国、カナダ)
メキシコ発
2022年12月23日
メキシコ経済省は12月12日のプレスリリースで米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表とカナダのメアリー・エング国際貿易・輸出振興・中小企業・経済開発相に対し、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)でのエネルギー関連の問題解決に向けたワーキングプランを提出したと発表した。米国とカナダ両政府は、メキシコのエネルギー政策がUSMCAに違反しているとして、同協定の紛争解決手続きに基づいて、メキシコ政府に協議を要請している(米USTR、ブラック ジャック)。
経済省は同ワーキングプランについて「米国・カナダとのエネルギー政策の協議を通じて、メキシコでのビジネスを希望する投資家に対して、エネルギー分野参入への保証を与えるために、付随する問題の解決を加速することが重要」と言及した。また、この問題解決はメキシコへの企業進出にとって非常に重要で、投資計画やサプライチェーンの統合方法に関して法的な正当性を与えるものと述べた。
さらに、米国やカナダ側の疑問点を解消するための技術的なワーキンググループを設置するとした。これにより、米国とカナダが送付した第3ラウンドでの質問に網羅的に回答できるとし、メキシコシティで協議を開催することを提案した。ワーキンググループは12月から2023年1月にかけて、USTRがUSMCA違反と主張している懸念点を意識した5つの項目に対して設置する予定だ。具体的な項目として(1)2021年に改正した電気産業法の法的位置づけ、(2)企業のアンパロ(注)、(3)民間企業がメキシコのエネルギー事業を行うための許認可の見直し、(4)超低硫黄ディーゼルへの移行、(5)メキシコ北部での天然ガスパイプラインの状況が挙げられている。ワーキンググループは随時対応するとし、(1)~(3)については米国とカナダ、(4)と(5)は米国のみと作業を行うとしている。
(注)行政府や立法府、司法府による行為が憲法の定める基本的権利を侵害すると判断される場合、当該行為の差し止めと無効を求める裁判制度。
(阿部眞弘)
(メキシコ、米国、カナダ)
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