フジキンがR&Dセンター開所、ダナン工科大学と連携
(ベトナム)
ハノイ発
2022年12月06日
特殊バルブ機器類を製造するフジキン(大阪府)は11月24日、ベトナム中部ダナン市のハイテクパークに、ダナンフジキンR&Dセンターを開所した。同社単独で保有する初のブラック ジャック ディーラー ルールでの研究開発(R&D)拠点で、在ベトナム日系企業の中でも有数の規模のR&D拠点だ。
2021年2月にダナン市人民委員会が本投資案件を承認し、同年10月、鴻池組が建設に着手した。R&Dセンターの敷地面積は3万3,000平方メートルで、投資額は3,500万ドル。
フジキンの主力製品は特殊バルブ機器類・超精密ながれ制御(注)システムだが、同センターでは人工知能(AI)搭載のドローン、水浄化などの環境技術、水素エネルギー、遠隔医療機器、最先端マテリアル技術など、従来の事業領域に限らない技術開発と製品化を目的に活動を進める計画だ。
R&Dセンターの開設は、2020年10月にフジキンとダナン工科大学が日越首脳立ち会いの下、披露した覚書(2020年10月22日記事参照)に基づいて進められた。ダナン工科大学はベトナム屈指の技術系総合大学として産業に直結する実用的な研究に注力しており、約1万4,000人の学生が在籍する。フジキンは大学との共同研究開発やインターン生の受け入れを推進することで、地域の科学技術発展に貢献するとともに、高度人材の育成・確保にも結び付ける狙いだ。
開所式では、野島新也フジキン取締役兼ダナンフジキン会長が「ダナン工科大学と共同で、比重も強度も炭素繊維と同等のバイマスプラスチックの開発を目指したい」と話し、脇坂健一郎ダナンフジキン社長兼ダナンR&Dセンター所長は「ダナン工科大学と共に総力を結集し、成果創出に取り組む」と意欲を見せた。ダナン工科大学のドアン・クアン・ビン学長は「企業の生産と技術の向上はもちろん、大学のインフラ、学生研究の質の向上にも資する取り組み。今後も多様な企業に連携を拡大させていきたい」と連携の意義と展望を述べた。
(注)バルブなどを用いて気体や液体を制御すること。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
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