チリで合成燃料の製造工場が稼働開始、ドイツのポルシェやシーメンスが参画

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン（VW）傘下のポルシェは12月20日、同社がシーメンスエナジーなどとともに、チリ最南部のマガジャネス州プンタ・アレーナスで手掛ける合成燃料生産オンライン ブラック ジャックにより建設した工場が稼働開始したと発表した。同工場は、風力発電設備から水素製造のための電解槽、合成燃料製造設備までを1カ所に統合した世界初の合成燃料商用製造プラントだ（ポルシェ、チリで合成燃料を製造するプロカジノ）。オンライン ブラック ジャックに参画しているシーメンスエナジーによると、同オンライン ブラック ジャックの水電解装置はシーメンスエナジー、風力発電の風力原動機はシーメンスガメサが提供した。

稼働を祝う式典に参加したポルシェのバーバラ・フレンケル役員（調達担当）は「ポルシェは車両の電動化と同時に、補完的技術として合成燃料にも取り組む」とし、ポルシェが同オンライン ブラック ジャックを通じ、合成燃料開発の分野で主導的な役割を担うとした。

なお、VWグループのオリバー・ブルーメ最高経営責任者（CEO）は12月16日に開催されたVWグループの臨時株主総会で、「VWは電気駆動に取り組む。電気自動車（EV）が持続可能な交通の最適解だ」としつつも、既存の内燃機関搭載車や船舶・航空輸送などを考慮すると、「合成燃料が一定の役割を担う可能性もある」とし、「VWグループではポルシェを通じて合成燃料の開発を続ける」とコメントしている。

同オンライン ブラック ジャックでの合成燃料の生産目標は、これまでに発表された目標から大きな変更はない。具体的には、2023年に約13万リットル、2025年までに約5,500万リットル、その約2年後には約5億5,000万リットルの生産を予定する。ポルシェは同オンライン ブラック ジャックで製造した合成燃料を当面、モータースポーツや試乗施設などのパイロットオンライン ブラック ジャックで利用する。同社はこれまでに合成燃料に1億ドルを超える投資を行っている。

EU理事会（閣僚理事会）と欧州議会は2022年10月、乗用車・小型商用車（バン）の二酸化炭素（CO2）排出基準に関する規則の改正案について暫定合意に達した（関連ブラック ジャック カード）。これを受け、EUでは2035年までに「全ての新車をゼロエミッション化」、すなわち、同年以降は内燃機関搭載車の生産を実質禁止することが確定した。ただし、合成燃料など炭素中立な燃料のみを使用する車両の2035年以降の販売については、欧州委が新たな提案を行うことになっている。

（高塚一）