連邦議会、アラン・ベルセ副大統領兼内務相を新大統領に選出、閣僚2人が交代
(スイス)
ジュネーブ発
2022年12月15日
スイス連邦議会は12月7日、大統領選挙を実施し、アラン・ベルセ副大統領兼内務相が有効投票181票のうち140票を獲得して新大統領に選出された。新副大統領には、フィオラ・アムヘルド防衛・国民保護・スポーツ相が選出された。ベルセ氏は、社会民主党出身で2012年に入閣、大統領就任は2018年に続き2度目となる。新しい正副大統領は2023年1月1日に就任する(注1)。
また、連邦議会は同日、2022年末にウエリ・マウラー財務相(国民党)、シモネッタ・ソマルガ環境・運輸・エネルギー・通信相(社会民主党)の2人の閣僚が退任することに伴い、後任を選出する投票を行った。アルベルト・レシュティ氏(国民党)、エリザベット・ボーム=シュナイダー氏(社会民主党)が、それぞれ退任する閣僚と同じ政党から選出された(注2)。
併せて、担当の再配分が行われ、12月8日に内閣の新担当ポストが決定された。2023年のスイス連邦参事会(内閣)のメンバーは次のとおり。地政学的な状況や、国内外で進行中の重要な議題が多数あることを踏まえ、安定性を確保するため、財務相などを除き現職の閣僚が留任となったかたちだ。
- 大統領:アラン・ベルセ/兼内務相(留任)
- 副大統領:フィオラ・アムヘルド/兼防衛・国民保護・スポーツ相(留任)
- ギー・パルムラン/経済・教育・研究相(留任)
- イグナツィオ・カシス/外相(留任)
- カリン・ケラー=ズッター/財務相(法務・警察相から交代)
- アルベルト・レシュティ/環境・運輸・エネルギー・通信相(新任)
- エリザベット・ボーム=シュナイダー/法務・警察相(新任)
(注1)スイスの大統領は、慣例的に閣僚7人のうち1人が1年ごとに交代で務める輪番制となっている。
(注2)スイスの内閣制度は、連邦議会から選出された7人の閣僚によって構成されるが、言語、宗教、地域の多様性、平等性を確保するため、議会の上位4党から2、2、2、1の割合でポストが配分される。
(深谷薫、マリオ・マルケジニ)
(スイス)
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