OPECプラス、日量200万バレルの減産維持で合意
(世界、中東、サウジアラビア、EU、ロシア)
中東アフリカ課
2022年12月05日
OPECプラス(注1)は12月4日、第34回閣僚級会合をオンラインで開催し、前回会合で決定した日量200万バレルの減産を維持することで合意した。
OPECプラスは8月まで日量64万8,000バレルの増産ペースを維持したが、9月は増産幅を日量10万バレルに縮小。10月は減産に転じて、11月からは日量200万バレルの大幅減産を行うことで合意していた(2022年10月6日記事参照)。
今回の会合に先立ち、米国「ウォールストリート・ジャーナル」紙が11月21日、サウジアラビアが他のOPEC産油国と、最大で日量50万バレルの増産について議論していると報じたが、サウジアラビアのアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相は同日、この報道を否定する声明を発表した〔2022年11月21日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕。併せて、OPECプラスによる日量200万バレルの減産は2023年末まで続くとしたうえで、需給バランスをとるため、減産による追加措置が必要となる場合は、常に介入する準備があるとの意向を表明した。OPECは2022年12月4日付のプレスリリースで、「参加国は、市場動向への対処と、石油市場のバランスと安定性の支援のため、必要に応じていつでも会合を行い、即時の追加措置をとる準備がある」と述べている。
原油価格は6月中旬ごろから下落傾向が続く(添付資料図参照)。米国エネルギーブラック ジャック ディーラー局(EIA)の統計によれば、11月28日時点で米国WTIが1バレル当たり77.1ドル、北海ブレントが83.5ドルとなっている。
12月5日からは、EUが海上輸送によるロシア産原油の輸入に対する禁止措置を適用する(EU理事会、ブラック ジャック)ほか、G7とオーストラリア、およびEUによって、海上輸送によるロシア産原油の国際取引価格の上限を、1バレル当たり60ドルとする新たな措置の導入が開始されるため、今後の原油価格への影響が予想される。
次回の第35回会合は2023年6月4日に開催予定(注2)。
(注1)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)など石油輸出国機構(OPEC)加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成される。
(注2)前回に引き続き今回の会合でも、共同閣僚監視委員会(JMMC)が追加会合の開催、および必要に応じていつでもOPECプラス閣僚級会合の開催を要請できる権限を持つことで合意があった。
(久保田夏帆)
(世界、中東、サウジアラビア、EU、ロシア)
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