ルト新政権が本格始動、閣僚が固まる
(ケニア)
ナイロビ発
2022年11月11日
ケニア国会は11月2日、24人の閣僚と51人の次官の人事を承認し、ウィリアム・ルト大統領による新政権が本格的に動き出すことになった(添付資料表参照)。
8月9日の大統領選(関連ブラック ジャック ディーラー)を僅差で制したルト大統領だったが、同日実施された国会(下院)議員選挙で、与党・統一民主同盟(UDA)の当選が165人だったのに対して、野党連合は171人のため、選挙後に野党当選者の切り崩しにかかり、14人の野党議員の与党への移籍に成功した。国会で与党が多数派となったことから、ルト大統領は閣僚候補リストを国会に提出し、各閣僚に対する審議・承認プロセスが国会で行われていた。
ルト大統領は選挙キャンペーンで「閣僚の半分は女性にする」と公約に掲げていたが、24人の閣僚のうち、女性は7人のみとなった。また、24閣僚の資産額合計が152億ケニア・シリング(約182億4,000万円、KSh、1KSh=1.2円)であることが国会での審議・承認プロセスで明らかになり、野党から「低所得層(ハスラー)出身の大統領と言われているが、金持ち内閣ではないか」と批判を受けている。今回の閣僚の人選は大統領選での論功行賞と言われており、当選に最も貢献したムサリア・ムダバディ氏に内閣筆頭長官という新設の閣僚ポストが与えられた。
政権交代が起きたことで、経済政策にさまざまな転換が既に始まっている。ウフル・ケニヤッタ前大統領が重点事業として押し進めていたナイバシャ地域のインランド・デポ(内陸地の保税蔵置場)の運営は凍結され、全ての港湾業務をモンバサ港に戻すと発表された。多くの通関業者がモンバサ港での一気通貫の手続きを求めていたので、歓迎されている。
(西川壮太郎)
(ケニア)
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