原材料や人材不足に悩む欧州テクノロジー業界、2022年の売上高は前年比ブラック ジャック ルール ディーラーナスと予測
(EU)
ブリュッセル発
2022年11月24日
欧州機械・電気・電子・金属加工産業連盟(ORGALIM)は11月23日、2022年秋季経済・統計報告書を発表し、2022年の同業界の実質売上高は前年比0.7%減との予測を示した(プレスリリース)。同年当初は需要も高く、好調な滑り出しだったが、前年から続く原材料の供給不足に、主要な供給元の中国などでの新型コロナウイルス対策措置や、ロシアのウクライナ侵攻、港湾の閉鎖などによるサプライチェーンの混乱も加わって、下半期に入ると低迷したとした。
欧州のテクノロジー業界にとって、数ある課題の中でも特に深刻なのは原材料不足だ。産業用金属、金属製品、半導体や電子部品、プラスチック部品などあらゆる原材料が不足し続けており、一部の分野では需要の減少に伴ってやや軽減しつつあるが、依然として異例の水準で厳しい状況にあることは変わりない。そこへ追い打ちをかけたのがエネルギーと原材料の価格上昇だ。特に、欧州のエネルギー価格の上昇は米国やアジアなどの他地域と比較するとより急速で、グローバル市場の競争力を維持するには、生産コストの増加を製品価格に転嫁させることは容易ではなく、利益の減少や市場からの撤退というかたちで欧州企業に重くのしかかっている。さらに、対ドルでのユーロ安も、域外輸出にはメリットとなっている面もあるが、原材料の輸入価格の高騰などの影響を受けているとした。
2023年には欧州のテクノロジー業界では需要減退と景気後退がさらに進み、売上高は前年からインフレ要因を除いた実質ベースで4.9%減少すると予測する。明るい要素としては、原材料の供給不足が解消に向かえば、受注済みの製品生産に対応することが可能となり、売上高の減少をやや抑制できるとの見方を示した。一方で、下振れリスクとしては、需要側の設備投資余力が予想以上に減退すれば、コスト増大に苦しむ企業が減産や生産設備の稼働停止に踏み切ると予測。同業界は水平統合が極めて進んでいる業界で、状況によっては業界全体で連鎖反応を生み、売上高が大きく減少するリスクもあるとした。
企業投資減少に加え、深刻な人材不足も大きな懸念材料
ORGALIMは、電気工学や電子機器、ブラック ジャック ルール ディーラー通信などの部門で需要が既に減退し始めているとし、売上高が減少した需要側企業が資本財への設備投資を減らし、ORGALIM会員企業の受注に悪影響が出る可能性を指摘した。ORGALIMは、2022年の欧州テクノロジー業界の設備投資は前年から1.5%増えるが、2023年は5.1%減少すると予測した。
また、欧州テクノロジー業界では、特に高スキル人材を中心に、人材不足がここ10年で最も深刻な状況となっている。現時点では、企業は人材をつなぎとめるあらゆる努力をしており、2022年は同業界の雇用率は2.1%上昇し、2023年に安定するとしている。しかし、同業界を取り巻く環境が悪化すれば、雇用環境も悪化し、失業者を出すことが懸念されるとした。
(滝澤祥子)
(EU)
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