北アイルランド担当相、12月の議会選実施を否定
(英国)
ロンドン発
2022年11月07日
英国のクリス・ヒートン・ハリス・北アイルランド担当相は11月4日、声明で北アイルランド議会選挙を12月に実施することはないと表明した。同相は10月28日に、議会選挙後に自治政府が一定期間発足しなかったことを踏まえ、議会選を行う方針を発表していたが具体的な日程は示しておらず(北ブラック ジャック ディーラー)、12月15日が有力とされていた。
声明の中で同相は、議会選実施の方針の発表以降、北アイルランド内の政党、企業、コミュニティーと対話を行っており、その中で現時点での選挙の実施による影響やコストに対する懸念を聞いてきたとした。さらに、「現時点の法制では10月28日から12週間以内に議会選を行うことが求められており、次週、議会に対して次のステップを示すための声明を発表する」と述べた。
今回の発表に対する各政党の反応は以下のとおり。
- 民主統一党(DUP)のジェフリー・ドナルドソン党首:交渉または法整備により解決策を得るため集中すべき。アイルランド・北アイルランド議定書が、ユニオニスト(親英派)が支持できる取り決めに置き換わるまでは、議会は完全には機能しない。
- シン・フェイン党のミシェル・オニール副党首:今回の発表はヒートン・ハリス・北アイルランド担当相の迷いや優柔不断によるもの。同相は各政党との会談の中でも今回の発表に関する示唆は与えていなかった。英国政府とDUPは北アイルランドを政治的に不安定な状況に放置している。
- 同盟党:議会選実施の撤回を歓迎。今回のような事態を防ぐため、制度改革を優先的に行うべき。
同相の発表に対し、BBC(11月4日)は、今回の発表は安心感を与えるものとしつつも、これによりヒートン・ハリス・北アイルランド担当相の信頼性は損なわれたと評価。ポリティコ(11月4日)は同相の発言から、現法制の修正が行われることになるだろうとした。
(山田恭之)
(英国)
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