ハンガリー、省庁改編でエネルギー省を新設、技術・産業省は廃止

ハンガリーのグヤーシュ・ゲルゲイ首相府長官は11月14日、緊急記者会見を実施し、エネルギー問題を一元的に管理するための新省を創設することを発表した。決定の背景について、戦争と経済制裁により、エネルギーの安全保障とエネルギー価格の問題は、ハンガリーおよび欧州で最も重要な問題だと、政府は説明している。

これまでエネルギー関係を所掌していたのは、パルコビッチ・ラースロー大臣が率いる技術・産業省だった。技術・産業省を廃止し、エネルギー分野は新省が所管することとし、その他の分野は他省庁に移管する。パルコビッチ大臣は、自分の省を1つのポートフォリオとして捉えているという理由で辞表を提出し、オルバーン・ビクトル首相はそれを受理した。

オルバーン首相は、METグループ（ハンガリーを拠点とする欧州の総合エネルギー企業）の取締役会長で経済学者、投資家であるラントッシュ・チャバ氏に新省の大臣を依頼した。同氏は12月1日に大臣に就任の予定。

グヤーシュ首相府長官は記者会見で、技術・産業省の所管事業の今後の割り振りも説明。パクシュ2原子力発電所の拡張は、引き続き外務貿易省が所管し、パクシュ2原発の拡張事業を除くエネルギーに関する業務は、全て新省が担当することになる。新省はエネルギー・公益事業市場の規制機関であるエネルギー・公益企業規制局（MEKH）の権限もほとんど引き継ぐ。なお、これまで技術・産業省で所管していた分野については、産業分野はナジ・マールトン経済発展担当相に、交通・運輸分野はラーザール・ヤーノシュ建設・投資相に、そして成人教育やイノベーション関連はチャーク・ヤーノシュ文化・革新相に所管が引き継がれることになる。