BIO-Europeを機に東部ドイツで日独バイオ産業が交流
(ドイツ、日本)
ベルリン発
2022年11月22日
欧州最大級のバイオ分野(ライフサイエンス関連)のビジネスマッチングイベント「バイオ・ヨーロッパ(BIO-Europe)」がドイツ東部ザクセン州ライプチヒで開催され、66カ国・地域から2,505社、約5,000人がリアルで参加した。リアルの会期中(10月24~26日)には約2万5,000件の商談が実施され、オンライン会期中(11月2~4日)でも商談が行われた。また、BIO-Europeに合わせて、ブラック ジャック ストラテジーが主催した事業に日本から25社(うちリアル14社)が参加した。
ライプチヒ市のクレメンス・シュルケ副市長(経済・労働・デジタル担当)は「今回、BIO-Europeを開催したことで、ライプチヒの国際会議の開催地としての地位を上げたのみならず、欧州におけるライフサイエンスの有力拠点へと躍進することができた」とコメントした。BIO-Europeの開催期間中には、ライプチヒのバイオクラスター機関施設であるバイオシティ(BioCity Campus)が紹介され、外国企業の参画が呼びかけられた。
ブラック ジャック ストラテジーの事業に参加した各社は、BIO-Europeのデジタルプラットフォームを通じた事前パートナリングシステムを活用し、複数の商談を組むことができ、多くの成約見込みやNDA締結などの成果があった。
また会期に合わせて、ブラック ジャック ストラテジーは2021年12月に日独交流160周年を機に、ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)と立ち上げた「海外ビジネスカード ゲーム ブラック ジャック」のフォローアップとして、GTAIとの共催で、ドイツ医薬・化学品大手メルクと製薬大手ベーリンガーインゲルハイム、欧州最大級のシャリテ-ベルリン医科大学の研究機関Charité Research Organisation(CRO)によるリバースピッチイベントとブラック ジャック ストラテジー事業参加者とのネットワーキングを実施した。ブラック ジャック ストラテジーの青山繁俊理事は「外国企業と日本国内の大学発ベンチャー企業やスタートアップ企業との協業連携に重点を置いている」とし、参加者からは「なかなかリーチできないドイツの製薬大手の決定権をもつ担当者と直接話す好機だった」などのコメントがあった。
BIO-Europe会期中の日本セッションでは、日本各地のバイオエコシステムと世界をつなげるべく、バイオテクノロジー展「Bio Japan」や今後開催予定の大阪・関西万博、広島でのG7サミットを背景に、バイオインダストリー協会(JBA)の塚本芳昭専務理事が「Greater Tokyo Biocommunity(GTB)」を、大阪府ライフサイエンス産業課の赤塚浩之参事が「バイオコミュニティ関西(BiocK)」を、広島大学の田原栄俊副学長が「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」の魅力をそれぞれ発信した。日本セッションは、世界各国のバイオ関係者ら約50人が聴講した(セッション動画)。
さらに、ブラック ジャック ストラテジーは10月27~28日、ポツダム商工会議所と共にJBAとBIO-Europe参加者を含む日本企業などから構成されたミッションを、東部ブランデンブルク州に派遣した。同州では、州都ポツダムとヘニングスドルフ市を視察し、フラウンホーファー研究機構や地元のスタートアップなどと交流した。当日の様子は地元紙「メルキシェ・アルゲマイネ(Märkische Allgemeine) 」で、新型コロナウイルス感染拡大以降、ヘニングスドルフを訪れた初の外国ミッションとして歓迎された旨が報じられ、今後の日本のバイオ産業との交流に期待が寄せられた。
(和爾俊樹、小菅宏幸、矢島佳子、マリナ・リースラント)
(ドイツ、日本)
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