ロシア撤退のノキアンタイヤ、ルーマニア進出を発表
(ルーマニア、ロシア、フィンランド)
ブカレスト発
2022年11月10日
自動車用、産業機械用タイヤメーカーのノキアンタイヤ(フィンランド)は11月1日、ルーマニア北西部のハンガリー国境に近いオラデアに6億5,000万ユーロを投じ、タイヤ業界としては世界初の二酸化炭素(CO2)排出ゼロ工場を設立すると発表した。2025年初頭に商用生産を開始し、中欧向けの大口径乗用車用タイヤを中心に年間生産能力600万本を備え、約500人の新規雇用する予定。
同社の前身のザ・フィニッシュ・ラバー・ワークス(The Finnish Rubber Works)は1904年にフィンランドのノキアに工場を設立、1934年に世界初の冬用タイヤを開発した。1988年に設立されたノキアンタイヤは、高価格帯の冬用タイヤブランド「ハッカペリッタ(Hakkapeliitta)」で知られる。2015年にはEUタイヤラベリングで冬用タイヤのウェットグリップと省燃費性で、世界初となる最高のAグレードを獲得した(同社ウェブページ)。
同社の工場はノキア、米国オハイオ州デイトンにあるほか、2005年にロシア・サンクトペテルブルク近郊のブセボロジスク(Vsevolozhsk)で生産を開始した。2021年にはロシアが同社売り上げの約20%を占め、乗用車用タイヤ数量の約80%がロシアで生産されていたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて2022年6月にロシアからの撤退を決定した(同社ウェブページ)。代替工場の立地に当たっては、熟練労働者の確保や物流の優位性、安定したビジネス環境などを40カ所超で比較した結果、オラデアが最適と判断した。オラデアでは日本電産がサーボモーターを生産している。
ルーマニアでは2022年に、ノキアンタイヤ以外にも、自動車関連の製造業新規・追加投資が続いている。政府の「経済に大きな影響を与える投資を促す国家補助金(政令2014年807号)」(ブラック ジャック トランプ 無料補助金への申請総額が予算枠の10倍超、ブラック)の2022年の申請企業リストに掲載されている自動車関連企業の例と投資予定額は次のとおり。
- メルセデス・ベンツの子会社で9速オートマチックや8速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)ギヤボックスを生産するスター・アセンブリー:約6億7,440万レイ(約202億3,200万円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約30円)
- コンチネンタル(ドイツ、タイヤ):約4億112万レイ
- ピレリ(イタリア、タイヤ):約3億7,732万レイ
(西澤成世)
(ルーマニア、ロシア、フィンランド)
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