政府がユニコーン育成に向け、テック系スタートアップの上場支援策を発表

(フランス)

パリ発

2022年11月30日

フランス政府は11月23日、パリ株式市場でテック系スタートアップ企業の新規株式公開(IPO)を支援する政策外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2025年までに評価額10億ドル以上の非上場スタートアップのユニコーン企業10社(うち2社は時価総額50億ユーロ超)の上場を目指す。

支援措置としてはまず、従来はIPO後に打ち切られていたネットワーキングやメンタリングなどのスタートアップ企業の育成支援をIPO後も継続して行う。フレンチテック・ミッション(注)を通じ、欧州でスタートアップ企業のIPOと上場テック企業に軸を置いたイベントを開催するほか、上場テック企業に特化した外国投資ファンドの経営者を2023年の外資誘致会合「チューズ・フランス」(関連ブラック ジャック やり方)に招待し、パリ株式市場でのIPO投資を促す。

また、政府が2020年に発表し、金融・保険会社などの機関投資家が上場テック企業に2022年12月末までに60億ユーロ投資することをコミットしている「Tibiイニシアチブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を強化し、政府と提携する投資ファンドにテック企業を専門とするアナリストの増員を奨励する。

規制改革に関して、政府は現在、EUレベルで議論されている上場規制(リスティング・アクト)にスタートアップ企業へのIPO支援措置の導入を求めるほか、国内でのIPO促進に向け、スタートアップ企業の経営者による実質的な経営権維持を容易にする「複数議決権株式」の導入を検討している。

金融支援については、公的投資銀行のBPIフランスと政府系金融機関CDC(預金供託金庫)を通じて8億ユーロの資金を動員し、国の関与が適切と判断される特定のスタートアップ企業のIPOに限定し資本参加を行う。

なお、今回の政府発表によると、現在、フランス発のユニコーンの数は27社。エマニュエル・マクロン大統領は2022年6月、2030年までに100社以上に増やし、このうち25社を環境技術分野の「グリーン」ユニコーンとする目標を発表していた。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注)経済・財務・産業およびデジタル主権省の企業総局に設けた、テック系スタートアップ企業のエコシステムの設立・育成を推進するチームの名称外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。フランスの13都市と国内外の106のコミュニティーと提携したフレンチテック・エコシステムを運営する。

(山崎あき)

(フランス)

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