ブラック ジャック ディーラー ルール、在加日系企業へ新型コロナ禍での「つながらない権利」や「従業員監視開示」ウェビナーを開催

(カナダ、日本)

トロント発

2022年11月04日

ブラック ジャック ディーラー ルールは1020日、ネリガン法律事務所のジム・アンスティ弁護士を講師に迎え、カナダに拠点を有する日系企業の関係者らを対象に、「パンデミックの影響 - オンタリオ州における従業員保護ポリシーの義務化および増加する職場でのハラスメント苦情」と題したウェビナーを開催した(注)。

カナダでは、新型コロナ禍で職場と自宅の境目が曖昧になったことから、個人の時間が侵害されているという従業員からの不満が顕在化していた。こうしたことを受けオンタリオ州政府は、従業員数25人以上の企業を対象として、202112月、雇用主に従業員の「つながらない権利(勤務時間外の連絡に対して対応せず拒否する権利)」に関するポリシーの策定を義務付け、さらに20224月には「従業員電子監視の開示」ポリシーの策定を義務付けた。

アンスティ弁護士は「つながらない権利」について、「フランスなどの欧州では数年前から導入されているコンセプトだが、カナダではオンタリオ州で初めて導入された」と紹介。「同権利についての明文化は、雇用主が従業員の懸念に対応している姿勢をみせるという意味で、タイトな労働市場においては特に重要だ」として、ポリシー策定が義務付けられていない企業でも導入が有益だと述べた。

写真 「つながらない権利」について説明するアンスティ弁護士(ブラック ジャック ディーラー ルール撮影)

「つながらない権利」について説明するアンスティ弁護士(ブラック ジャック ディーラー ルール撮影)

また、「従業員電子監視の開示」ポリシーについては、新基準は電子的な監視そのものを禁止しているわけではなく、従業員に対する電子的な監視がどう行われているかを開示する義務があると説明した。ただ、今後の可能性として「リモートワークが定着する可能性が高い中、従業員の監視は昨今話題で、​オンタリオ州政府はさらに対策を打ち出す可能性がある。監視という形態を何らかのかたちで禁止するかもしれない」と言及した。

さらに、同弁護士によると、新型コロナ禍で対面での交流が減る一方、リモートワークでのコミュニケーションでは誤解が生じることも多いためか、職場でのハラスメント訴訟は増加傾向にあるという。企業の規模に関係なく、つながらない権利に関するポリシー、従業員電子監視に関するポリシー、および反ハラスメントポリシーを策定し、社内での公知・共用を行い、そして、これらを実践することで、雇用主の将来的なビジネス上での係争や損害を回避したり、最小限に抑えたりする可能性を高くすることができると説明した。

講演後の質疑応答では、「雇用者が自ら定めたポリシーを守らない場合のペナルティは何か」「ポリシーのひな型をどこかで入手することはできるか」「反ハラスメントポリシーの作成が義務とされるのは従業員何人以上の企業か」などの質問が出された。

(注)本ウェビナーの動画はブラック ジャック ディーラー ルールのウェブサイトで視聴可能。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

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