ドイツ産業界、EUの全新車ゼロエミッション化暫定合意に声明発表、合成燃料が焦点

EU理事会（閣僚理事会）と欧州議会が10月27日、乗用車・小型商用車（バン）の二酸化炭素（CO2）排出基準に関する規則の改正案で暫定合意に達したこと（関連ブラック ジャック カード）に対して、ドイツの主要産業団体が相次いで声明を発表した。

ドイツ自動車産業連合会（VDA）は27日の声明で、自動車業界は地球温暖化対策の国際的枠組みのパリ協定を全面的に支持し、自動車の早い時期での電動化を進めている点を強調する一方、今回の暫定合意は野心的な目標を掲げたものの、現行の進展や課題への対応を明らかにしていないとした。具体的には、（1）充電インフラの整備、（2）一部原材料の依存、（3）再生可能エネルギーによる十分な給電などを挙げた。

充電インフラの整備に関しては、欧州委員会が2021年7月に発表した政策パッケージ「Fit for 55」（関連ブラック ジャック やり方）の1つである代替燃料インフラ指令改正案について、欧州議会が提案した水準（欧州議会、ハイパーブラックジャック）を最低限とする野心的な水準で交渉を速やかに合意させることを求めた。一部原材料の依存については、EUとしてエネルギー分野の他国・地域との提携や、原材料調達のための条約締結など枠組み整備が必要とした。また、調達の多様性や強靭（きょうじん）性実現には、特定技術に頼らないアプローチが必要とした。VDAはそのほか、温室効果ガス削減目標達成には、新車だけでなく登録済み車両のCO2削減も必須で、そのためには登録済みの内燃機関搭載車向けに合成燃料が必要とした。

ドイツ産業連盟（BDI）は28日の声明で、今回の暫定合意について「重大な影響を持つ決断」とし、今回の決定は特に数十万の雇用を抱える自動車部品産業に影響をもたらすとした。その上で、欧州委は内燃機関搭載車向けに気候中立な燃料を導入することに関し、具体的解決策を早く示すべきだとし、産業界は速やかな予見可能性を強く求めるとした。また、VDA同様、電気自動車をさらに普及させるためには、充電インフラと燃料電池車用水素充填（じゅうてん）インフラの拡充が必要と指摘した。

ドイツ機械工業連盟（VDMA）は28日の声明で、合成燃料による内燃機関搭載車の気候中立な走行が明確に認められなかったことについて、「歴史的な機会を逸した」と指摘した。その上で、欧州委が新たな提案を行うとされる、合成燃料など炭素中立な燃料（CN燃料）のみを使用する車両の2035年以降の販売について、「気候中立な燃料で走行する内燃機関搭載車であれば2035年以降も認められるべきだ」とした。VDMAはその理由として、雇用の減少、エンジン部品などを製造するノウハウの消失などを挙げた。

（高塚一）